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【Life】HIT LIST 2014 vol.3 「スキの情熱で世界を変える」

 RENAISSANCE

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ニール・ジョーダンが手掛けたドラマ『ボルジア家 愛と欲望の法王一族』も最終回。ジェレミー・アイアンズ演じる法王の描き方がロマンティックであること、システィーナ礼拝堂や宮殿に流れる音楽、そしてチェーザレとルクレツィアの兄妹(写真)が何度見ても美しいことが性にあったようで、この休暇中にも中毒のように観つづけています。

わたしはそもそも19世紀末を愛する人間ですが、2014年は『王妃マルゴ』と『SANCTUARY』、オペラ『ドン・カルロ』、そして「ウフィツィ美術館展」など、15, 16世紀の宗教と血塗られたの世界史のつながりを発見してはうきたつ機会が多かった!

イタリア大使館へ伺う機会も多く、来年3月の「ボッティチェリルネサンス」、通称メディチ家展が楽しみでなりませ塩野七生本もたくさん読み返したい! 

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)

 

 SMAP

願いを真剣に口にしていれば現実になる、と確信した年でもありました。2012年にはじめてコンサートを観て以来、敬愛してやまないエンターテイナーSMAPのメンバーに、インタビューをすることが実現したからです。

スタジオに入って最初に歩いてきたのが木村拓哉さん。現実なのに現実じゃないような、あの不思議な感覚(ひとりハイレゾ感覚?)が忘れられません。木村さんは、どこまでも木村さんそのもの。中居さんは、周囲を俯瞰して把握している経営者のような物腰。穏やかな眼差しの奥にある鋭さに戦慄しました。さすがTop of the World!!

担当させていただいた稲垣吾郎さんは、距離感の心地いいジェントルマン。『ゴロウデラックス』でみるようなカルチャー好きのおもしろい面も出してくれて、笑顔が絶えず、メンバーみんなと仲がいい理由がわかりわかりました。いつか吾郎さんと別の仕事でもからめるように、いっそう精進したい!

 TAKARAZUKA

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宝塚歌劇100周年の年もまもなく終わり。今年は日仏合作のスペクタクルだった星組『眠らない男 ナポレオン』(写真)にはじまり、フィッツジェラルドを原作にした『ラスト・タイクーン』やシェイクスピアを翻案した『The Lost Glory』に『PUCK』、伝説の『花詩集』や思い出の『エリザベート』といった名作をたくさん観劇できました。

11月には『王家の紋章』の細川智栄子原作の『伯爵令嬢』を。幕が開く前から流れるミュゼット。ブルターニュの孤児院からパリの夜会へ。マロニエ香るシャンゼリゼの、日傘をさしたバッスルドレスの貴婦人たち。シャンパンで乾杯するオペラ座のプルミエ。赤や青の天鵞絨にシャンデリア。なによりまっすぐなコリンヌ(咲妃みゆ)……もう、愛さずにはいられなかった! シャルトル大聖堂の結婚式に酔いしれれば、たたみかけるようにフィナーレの幕が上がる。エッフェル塔の足下でフレンチ・カンカン。色彩の氾濫。まさにミュージカル・ア・ラ・ベルエポック。夢と憧れしかない、完膚なきまでの多幸感でした。

皇帝ナポレオンを演じ武道館も制したトップスター柚希礼音さんとともに、来春ついに最愛の娘役・夢咲ねねさんも卒業。たくさんの感謝と愛とともに見送りたいと思います。

UPCOMMING

  「話すことを仕事にする」「たくさんの人に会う」という目標が、ラジオOTTAVA Domenicaやトークショー、講演の機会をいただくことで次々に実現しました。大先輩・林田直樹さんはじめ、すべての関係者さま、お客さまへの感謝でいっぱいです。

2015年はじめのトークショーは、文京区の顕彰事業の一環として開催される、念願の「歴史講座」です。『西班牙家の犬』を著し、スペイン風の邸で暮らした詩人・小説家の佐藤春夫をテーマに、作家の生涯と作品はもちろん、彼が愛したスペイン趣味のデザインや美術、音楽まで、多様多彩でダンディ春夫ワールドを探検します。

日時: 1月25日(日) 14:00-16:00

申込み: 往復はがきに「1月25日歴史講座」・住所・氏名・年齢・電話番号・返信用あて先を明記し、文京ふるさと歴史館までお送りください。1/6(火)必着。

 問合せ: 文京ふるさと歴史館  〒113-0033 文京区本郷4-9-29  ☎03-3818-7221

http://www.city.bunkyo.lg.jp/rekishikan/event/h27_0125.html

VIOLA

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もしかしたら私は聴覚の次に嗅覚が大切なのかもしれない、というくらい「いい匂い」に満たされた1年でした。

特筆すべきは、香りの贈り物をたくさんいただいたこと。写真は、「霧とリボン」のミストレス・ノールからいただいた菫のエッセンシャルオイル。イタリアの修道院で手作りされたものだそう。友人や読者の方にいただいた、Lisnのサシェや季節のお香にも夢中でした。冬になったら、キャンドルも欠かせません。パリで購ったdiptyqueのミニサイズや、ニューヨークのヘンリー・ベンデルの店員さんが選んでくれた薔薇の香り。大好きな香りもまた、大切な記憶を呼び覚ますプルーストのマドレーヌなのです。

WORLD TOUR

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2014年最大の経験は、オーケストラといっしょに世界一周をしたことです。

東京フィル創立100周年記念ワールドツアーでは、3.11のニューヨークを皮切りに、マドリード、パリ、ロンドン、シンガポールバンコクへ。“21世紀のジャポニスム”が各地で絶賛された喜びとともに、個人的にクラシック音楽への愛を再確認するようなディープな2週間でした。メインプログラム「春の祭典」初演の地パリでの熱狂、ロンドンで英国紳士にかけられた感謝の言葉。いまも鮮やかに思い出します


【Travel】オーケストラと世界一周!14Days [NY、マドリード、パリ編] | 東京フィル ワールドツアー2014 - Salonette


【Travel】オーケストラと世界一周!14Days [ロンドン、アジア編] | 東京フィル100周年記念ワールドツアー - Salonette

xoxo, gossip girl

ワールドツアーではじめて訪れたニューヨークも感慨深いものでした。『ティファニーで朝食を』で、『BANANA FISH』で、そして数々の小説や映画で夢にみつづけた街。セントラルパークのベンチで飲んだコーヒーはsant ambroeus。もちろん、『ゴシップガール』でセリーナやブレアが手にするアレです。

6年間でいっしょに成長した彼女たちとも、この夏でお別れでした。長寿シリーズならではの謎展開もあったけれど、なによりもチャックとブレアが結ばれてほんとうにうれしかった。プリンセスは情熱と強い意志でなるもの!と教えてくれたブレア・ウォルドーフ、ほんとうにありがとう!xoxo 

YEARNING

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憧れのメトロポリタン歌劇場を訪れることができたのも、最高の思い出です。

憧れることの大切さ、なにかに憧れている人のいとおしさ、それを分かち合うことの幸せを何度もかみしめる年でした。

ZERO

社会人になって10年、新しいはじまりの年でした。

「キライを論破して自己承認を得る」のではなく、「スキの情熱で世界を変える!」――私はそれを、自分の足で立って、美しく生きる上での指針にしています。

いつだってニュートラルな場所から文化を愛し、語り合い、分かちあいたい。
のびのびとした精神で世界を愛せる健やかさ、強さをもちたい。
家族、友人、応援してくださる皆様に感謝しつつ、これからも前進していきます。

ということで、HIT LISTもひとまずラスト。
どうかよいお年をお迎えください。

心からの感謝をこめて、                   高野麻衣