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ガーデニア

ガーデニア
かぐわしき香りは太陽さえも酔わせてしまう

日常のすべてを忘れ
僕は甘美なガーデニアの香りと同化する
この香りは
僕の魂だ

・・・
美しく誇り高いガーデニア
不思議な輝きで僕を照らす
やがてその誰よりも愛らしい姿は
僕の黒い血液となって
今宵の月を待つだろう
(地獄の月を待つだろう)
 
――La Gardenia(抜粋)

 新しくなった「一丁倫敦」*1 に立ち寄ってから、ジョサイア・コンドルの赤煉瓦の建築と薔薇の中庭に象徴されるヴィクトリアンの気分に憑かれたようになって、この曲ばかり聴いている。
黒執事のメインテーマ。
晴れた朝はことさらに。
 
ガーデニア=梔子は初夏の花だが、朝夕によく香り、晩秋に橙の実をつける。
白い花の命はきわめて短い。
しかし、その香りに(セバスチャンのように)心奪われるひとは、古来からあとを絶たない。 
ガーデニアの、グリーンノートがわずかに混じった甘い退廃的な香りは、成分的にはイランイランやジャスミンと同じものだという。
当然、ガーデニアを謳った香水も多い。
有名なのはシャネルの「ガーデニア」。
わたしが一番最初に手にしたガーデニア香水は、マーク・ジェイコブスの「エッセンス」。
もう、10年も前になるだろうか、覚えていない。
彼のミューズだった若いソフィア・コッポラの影響かもしれないし*2、街角か、あるいはバーニーズの1階で通りすがりに覚えた香りに、本能的に惹かれたのかもしれない。
清潔で、優雅なのに、もの憂げ。
ひとは、香りにも自分がそうなりたいと願うイメージを重ねるのだろう。
 
シエル・ファントムハイヴのイメージに重なるかはさておき、風変わりな悪魔が魅了される香りとして、これほどふさわしいものはない。
花言葉は、「わたしは幸せ者」。 

 

 

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