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2007-01-01から1年間の記事一覧

猫と名前のあれこれ

ネーミングでなかなかはかどらない、ということがよくある。だからそれを請け負うような仕事もあるわけだが、プロの書き手にも、言葉にこだわる人とそうでない人がいて、いやいやプロなんだから圧倒的に前者でしょ、と思いきや、そうでもない。 新米エディタ…

ゴスロリ再考

ドリーミー・クリスマスにかまけているうちに、世界は動く。 ダニエル・ハーディングがなぜか日本にいて、金聖響の代振りをしたり(――なんて豪華な“代役”!!)、エンリコ・オノフリ指揮のヘンデル・フェスティヴァルがひと月後に迫ったりしていたり。 クラ…

続 O Holy Night

City sidewalks, busy sidewalks dressed in holiday style. In the air there's a feeling of Christmas. Children laughing, people passing, Meeting smile after smile. Soon it will be Christmas day. ■すてきなホリディ アメリカやイギリスのHoliday …

O Holy Night

クリスマスが近づく、幸福な季節。 アドヴェントカレンダーも半分以上の窓が開き、いよいよ気分が高まる。アドヴェントは「待降節」と訳され、クリスマス前の4週間あまりの期間――11月30日に最も近い日曜日(今年は12月2日)から始まり、4回の日曜日を経て…

ベジャール、バレエ、リュミエール

人は流れ行く瞬間を止めようとする、愚かなことだ。 一瞬は、時間を豊かにし、もう一つの瞬間を生み出すためにのみ存在する。 私も一瞬でしかない。 他者の人生の中での一瞬… モーリス・ベジャール『他者の人生の中での一瞬…』(前田充訳、劇書房) ベジャー…

三世代のヴィヴァルディ

Sony Music Foundation(ソニー音楽振興財団)の「子どもたちに贈るコンサート・シリーズ」に行ってきた。 今年は、“三世代で聴く、イ・ムジチの「四季」”。 そう、「四季」である。 郷愁と親しみと、“ホーム・クラシック”の軽侮と。 それでもヴィヴァルディ…

魔女のトリック

ハロウィーンは、万聖節(11月1日、日本でいえばお盆)の前夜に行われる伝統行事。 もともと古代ケルトの宗教的行事だったのが、カトリックにとり入れられた。 "All Hallows"のeveだから、Halloween。 ジャック・オ・ランタンを飾り、ソウル・ケーキを食べる…

Le cas Cecilia

「政治する女たち」で触れた仏大統領夫人セシリア・サルコジについてのまとまった特集を、ようやく読むことができた(COURRiER Japon 11月号)。 “お騒がせファーストレディ”であることは確かのようだ。 フランスのメディアを、まさに席巻。 (左は「パリ・…

夏のなごりの薔薇 【映画編】

不作だった夏の間、新作映画を見なかった。 そのかわり、以前見逃していたいくつかがDVD化されたため、9月から鑑賞再開。 善き人のためのソナタ (Das Leben der Anderen/06年ドイツ) すばらしい邦題に惹かれて、ずっと気になっていた。 1984年の東ベルリン…

夏のなごりの薔薇 【レコード編】

というわけで、「夏のなごりの薔薇」、まずはレコード編。 私はこの季節――もう少し前の、晩夏、のイメージが大好きで、この語感も好きで、『日の名残り』*1という映画の余韻も好き。 だから、いつもはどちらかというと「夏の名残りの薔薇」*2と書く。 このタ…

恋せよオトメン(乙男)

おかげさまで「乙女のクラシック」も「オトクラ」と呼んでいただけるようになりました。意外な人まで読んでいてくださった、ということがよくあり、“乙女の高野さん”のようになってきたので、最近は「乙女」研究にも邁進している。 今日は書店で研究。 「美…

男の美学?

JAZZは男の音楽だと、つくづく思う。 昨夜は東京JAZZ初日。 デューク・エリントン・オーケストラに始まり4時間、ラストは小曽根真+マイク・スターン・トリオ(?)の飛び入りでエキサイトした。 身体の奥にズシンとくる音の洪水に、連れはもっとエキサイト…

文化するソーシャライト

“ソーシャライト”という人々をご存知だろうか? 世界に衝撃を与えた9.11から今日で6年。 “その後”に現れ現在ニューヨーク社交界の一大勢力なっているのが、“ソーシャライト”。 みな30歳前後の若者だ。 ニューヨーク社交界には、10年おきに新世代が現れ、そ…

王妃のドレスコード

女性議員問題からは離れるのだが、少々政治づいているので、もうすぐやってくる9.11にも関連した“中東のジャッキー”の話を紹介しておきたい。 この美しい人こそがその主役、ヨルダンのラニア王妃だ。 現在36歳。美貌とセンスのよさで、以前から気になる存在…

夏にさようなら

晩夏。閑散とした避暑地。夏の名残の薔薇。 やってくる9月は秋というより、去りゆく夏を見送る季節だ。 昔から惹かれてやまないのはその感傷のせいなのか、はたまたお誕月の幸福な思い出のせいなのか。 今年もザルツブルクは夢だった、いや、そうでなくとも…

続 I'm Traveling

ヴァカンス映画といえばフランスとイタリアの独断場ですが、私はわりと、本国人の作品よりアングロ・サクソン系監督が撮った作品のほうが好きです。 (エリック・ロメールは別格だけど!) ソフィア・コッポラが切り取った東京や、チャン・ツィイーの芸者姿…

I'm Traveling

私がその家に移ってから一週間ばかりたったある日のこと、二号室に属する郵便箱の名札さしに奇妙な名刺がさしこんであった。 しゃれた字体で印刷してある文字を読むと、「ミス・ホリデイ・ゴライトリー」とあり、その下の隅っこに、 「旅行中(Traveling)」…

The Princess Year

2007年のキャッチは、The Princess Yearでキマリです。絵本時代より「おひめさま」が大好きで、洋の東西を問わずプリンセス的なるものを探求し続け、プリンセス研究家を自称している私としては、それはひとつのライフワーク。 しかし、今年は別格なのです。 …

“マドモアゼル”主宰する

めまぐるしい日々にブログ続行をあきらめかけたのですが、この夏、新たに「乙女のクラシック」と改題して書き続けることを決意しました。 シュタイアーのコンサートのあと、新タイトルを考えてくれたふたりに感謝しつつ、まずは2006年のイヤーエンドの出来事…