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2008-01-01から1年間の記事一覧

Victorian Dictionary~英国四季暦

昨夜の『黒執事』が季節感たっぷりで愉しかったので、英国の昔ながらの暦をおさらい。 1月1日 New Years Day 1月6日 Twelfth Night (十二夜) /Epiphany (公現節) ■フロスト・フェアー(氷上マーケット) 17世紀から18世紀にかけて、冬になるとテムズ川は頻繁…

Victorian Dictionary~ダンディ

最近のわたしはいかなるときもヴィクトリアン・センサーを光らせている。 当然『伯爵と妖精』(集英社コバルト文庫刊)の動向は気にしている。『黒執事』と同じくヴィクトリア朝の英国を舞台とし、同時にアニメーションの放映がはじまるなど、なにかと比較さ…

Victorian Dictionary~執事

執事喫茶に『黒執事』、話題の新ドラマも『メイちゃんの執事』(フジテレビ)。 いわゆる“イケメン執事”のブームはとどまることを知らない。 彼らは、若く、美しく、紳士的にお嬢様(あるいは坊ちゃん)にかしずき、優雅な茶器で紅茶をサーブし、ときには恋…

頭の中将、リヴァイヴァル!

ノイタミナ(フジテレビ)による名作『あさきゆめみし』のアニメ化だが、出﨑統監督の意向で頓挫し、原作に忠実なオリジナル作品『Genji』として制作が進められているという。 去る18日には主要キャラクターのキャストも発表された。 光源氏役は櫻井孝宏さん…

ロージー・オータムナル

ヴィクトリアン強化の続行を宣言したとたん、世界のKitchenから(c)キリンビバレッジのニューフェイスについて報告を頂いた。 秋らしいダージリン。もちろん、イングランドの知恵が採用されている。 「香りつきのダージリン茶」というよりは、まさに「ドライ…

シエル・ファントムハイヴの事件簿

あるいは「ファントムハイヴ家の犬」? そんな様相を呈してきた『黒執事』である。 BGM: 221B, BAKER STREET(グラナダTV『シャーロック・ホームズ』O.S.Tより) 第7話「その執事、遊興」は原作にないオリジナルストーリー。法律の抜け穴をくぐり、裏で「犬…

鏡写しのディーヴァ

伝記映画ばやりである。 現代を代表する監督や女優が、これまで語られることの少なかった女性作家や芸術家のリアルな生を描き出そうとする試みが目立つが、音楽家、とりわけオペラ歌手となると数が少ない。ディーヴァといえば、いつも判を押したようにマリア…

復讐の炎は地獄のようにわが心に 萌え!

「ヴィクトリアン強化月間」、わたしの心のなかでは絶賛継続中。 月間どころかこの秋冬のテーマになってしまいそうなほど… アニメ『黒執事』(TBS)にハマっています!!! 原作以上に好きかもしれない。 自分でもびっくりですが、その経緯と、「なぜ萌える…

乙女ロード巡礼記~ 「黒執事」前夜会

巡礼の締めくくりは後楽園で行われた。 なぜならお嬢様は、とある夜会に招かれていたから――「黒執事」前夜会~黒きアニメとその演者による麗しき集い~。要は試写会である。 東京では10月3日深夜に放映されるアニメーションの第1話を先行上映し、キャストの…

“残酷な神が支配する”英国ツアー

これまで語ってきたとおり、わたしのなかのヴィクトリアンおよび英国のあらゆるイメージは、これまで接した書物や映画の蓄積だ。 なかでも大きな存在が、世界名作劇場とグラナダ版ホームズ、そして萩尾望都である。 どれくらい大きいかというと、実際にロン…

ヴィクトリアン強化月間

ヴィクトリア朝の絵画や文学は、日本でも、昔から広く親しまれている。 ラファエル前派の展覧会は毎回人気だし、ブロンテ姉妹やディケンズの小説は新訳が出版され、繰り返し映画化される。 「シャーロック・ホームズ」も「不思議の国のアリス」も「ピーター…

トンガリ '95

真山巧のストーカー並のブレのなさは男子のハートもがっちり掴むらしい。 数年前、連載中の7巻までをなかば強引に貸してくれた文系メガネ男子も、真山への共感を熱く熱く語ってくれたものだ。 なにしろ、真山はアンドレである。年上の上司・理花さんはオス…

夏空とボーイズライフ

今朝も空が青い。 梅雨の晴れ間のはずが、晴れ間ばかりである。 七夕やほおづき市のこの季節はいまでも、夏休み直前のように心が浮き立つ。 浴衣に合わせる帯止めを新調して、部屋にはリンドウの花を飾って。 連れ立って登下校する開襟シャツにもノスタルジ…

ラデュレ・オ・ジャポン

7月26日、ラデュレの東京第1号店が銀座三越2階にオープンすることが発表された。 長く噂だけが先行していただけに、これは大ニュースだ。 今回の出店にあたったのは「中央区」の「ラデュレ ジャパン」。 直営で、マカロン等も輸入でなくなることが予想さ…

妄想クラ女オタク系

長くオタクをやっていると、センサーのようなものが発達して、 「足を踏み入れたら、ハマル」 という危険信号がわかるようになる。 萩尾望都しかり、ラデュレしかり、タカラヅカしかり。 だからこそ、私にとってのガンダムは男子の牙城(女人禁制)であった…

さよなら、ガーリィ

2ヶ月+7日ぶりの更新。 ご無沙汰しております。 このような体たらくにもかかわらず、いつもチェックしてくださる皆様にごめんなさい&ありがとう。 アクセス数は、ただの数字ではない…愛です。 遅まきながら、メールやコメントへのお返事も再開します。 …

COCO after CHANEL

【親仏家のためのアジェンダ 特別編】 ココ・シャネルの本名は、ガブリエル・シャネル。 1883年に貧しい行商人の私生児として生まれた彼女は、12歳になる前に母に先立たれ、父に捨てられ、カトリック系孤児院や修道院で裁縫を習う。 歌手になることを夢見、…

COCO before CHANEL

【親仏家のためのアジェンダ 特別編】 主演女優のマリオン・コティヤールがアカデミー賞を受賞するなど、世界中で評価され、興行的にも成功した『エディット・ピアフ ~愛の讃歌~』のおかげで、フランス映画市場に伝記映画ブームが起こっている。*2 フラン…

プリンセスという魔法

久々のディズニー・プリンセス(ひと捻りあるものの)に大期待だった『魔法にかけられて』だが、いい意味で予想を裏切ってくれた。ピンクとパープルのグラデーションも美しいリアル・シンデレラ城に、物語のはじまりに絵本をひもとくおなじみのオープニング…

続 Charlotte-ism

シャーロットといえば、触れずにはいられないのが彼女のアパートメント。 (もちろんアッパー・ウェスト・サイド。) 独身時代はほぼオール・ホワイトで、オードリー的なアイコンへのつながりも感じる。 やはり真っ白なリネンの上で、ペディキュアをしながら…

Charlotte-ism

週末の吹き飛ばされそうな嵐も、「春一番」だと思うと心が踊る。 明るくて甘美、ロマンティックな季節がやってくるのだ。頭の中、そしてスクラップブックは、ボッティチェルリの色彩でいっぱいになる。 厚手のコートにファー、ダークカラーは、さっそく脱ぎ…

カントリーロード

物語が好き。 図書館が好き。 猫をストーキングするほど好き。 バロン(声:露口茂)が好き。 追憶の、ドイツの恋人がいる老人が好き。 ヴァイオリン製作者になるため、15でクレモーナに渡る少年が好き。 (クレモーナ、というアクセントも好き。) 自分が何…

親仏家のためのアジェンダ 【映画編】

■公開中 『ゼロ時間の謎』 (L'HEURE ZERO/TOWARDS ZERO, 2007年フランス) http://www.zerojikan.jp/ 原作は、アガサ・クリスティ本人がマイベスト10に選んでいる『ゼロ時間へ』。 フランス人監督パスカル・トマによって、舞台はブルターニュのリゾート地へ。…

バカラック LOVE セレナーデ

Arthur's Theme by Christopher Cross - YouTube セレナーデ serenade [英] 小夜曲、夜の調べ (ヨーロッパの風習として男が貴婦人の家の窓の下で歌う叙情的な楽曲) 昔から大好きなメロディ。 “恋人に捧げる”つながりで思い出したのが、クリストファー…

「クラシック 恋人に捧ぐ」

以前お伝えしたように、ここのところ「オトクラ」の検索ワードと言えば「ラデュレ」、の状態が続く。 どこか物足りない日々を送っていた私はある日、一輪の野の花のようなワードを発見した。 「クラシック 恋人に捧ぐ」 ……やはり時期的に、ヴァレンタイン・…

交差点のヴィヴァルディ

ハンサムは、ビューティーへ――資生堂 マキアージュ。 http://www.shiseido.co.jp/mq/index.htm コスメや蛯原友里などに興味のないクラシック・ファンでも、現在“ふと目がいくコマーシャル、ナンバー1”ではないだろうか。今夜、サントリーホールの帰りにつれ…

ヘンデル・イヤーは来年です

そもそも「ヘンデル・フェスティバル・ジャパン(HFJ)」は、没後250年となる2009年を目指して、(なぜか)2003年から行われている。 東京オペラシティが開館10年を記念して3年がかりで始めたのも、 「バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)2007→2009ヘンデ…

気になる部分

「ヘンデル・フェスティバル・ジャパン」(18日)の行き帰り、『気になる部分』(岸本佐知子、白泉社)を読了。 この本を、電車で読んではいけない。 そのまた前日『西洋骨董洋菓子店』(よしながふみ、新書館)をイッキ読みしたために、繊細で美味で高価な…

親仏家のためのアジェンダ 【アート編】

2008年は日仏両国の交流が始まってから150年目。 フランス政府観光局はこれを記念し、双方向に送客を目指すキャンペーンを実施中だ。 http://www.150jpfr.jp/ 前回書いたパリ・オペラ座バレエ来日公演も、この一環である。 せっかくなので「オトクラ」もこれ…

続 その高貴なる女

■パリ、現在 バレエ・リュスを生み出したパリは、いまも「過去と現在」を踊り続ける。 象徴的なのが、「オペラ・ガルニエ」と「オペラ・バスティーユ」。 第二帝政の威容を放つパリの象徴と、ミッテラン政権下に計画された新しいカルチャーの発信地。 「もち…