2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧
小野不由美「十二国記」の新作を読む。圧巻。 万民の前に君臨する王や麒麟というモチーフ、息を呑むようなアクションやカタルシスもないままに、どうしてこんなにも深く、感情を揺さぶる一編が書けるのだろう。 どうしてこんなにも「十二国記」でありつづけ…
ロンドンに暮らす英国レディにとって、オーストラリアははるか遠くの野蛮な世界だ。 下層階級と同じ粗野な言葉を話す、荒くれものの金鉱掘りや牧童たち。 偏見は、事実上の独立を果たした1930年代でも変わることはない。 それでもレディ・サラ・アシュレイ(…
そもそも、英国で「レディ」という言葉が、生まれよりもふるまいや感性、日々の生活様式において品のある女性について用いられるようになったのは、およそ19世紀半ばからだった。英国レディの起源は、大英帝国が世界の覇権を握っていたヴィクトリア朝(1837-…
雲が重苦しく空に低くかかった、もの憂い、暗い、寂寞とした秋の日を一日じゅう、私はただ一人馬にまたがって、妙にもの淋しい地方を通りすぎて行った。そして黄昏の影があたりに迫ってくるころ、ようやく憂鬱なアッシャー家の見えるところへまで来たのであ…
ガーデニア かぐわしき香りは太陽さえも酔わせてしまう 日常のすべてを忘れ 僕は甘美なガーデニアの香りと同化する この香りは 僕の魂だ ・・・ 美しく誇り高いガーデニア 不思議な輝きで僕を照らす やがてその誰よりも愛らしい姿は 僕の黒い血液となって 今…
起き上がれないが、眠れるわけでもない。 時間が惜しいので『モダンガール論』を読み進める。 夕方、読了。 頭痛も終息。 斎藤美奈子はわたしにとって、文章をまねたいと思わせるタイプの先達ではないが、構成の巧さとそこで展開する論理の破綻のなさにいつ…
連休明けの通勤。 いつもと違う路線を使ったら、唐沢寿明の「不毛地帯」ポスターに出会う。太地喜和子のために、「白い巨塔」(田宮二郎版)を見返そうとおもった矢先だった。 すくなくとも「官僚たちの夏」よりはおもしろいといい。 http://www.fujitv.co.j…
原稿を書かなくては、と思いながら銀魂を読む。 最新30巻。 空知30才。 わたしももうすぐ30才。 「30ってなんかへんなかんじだけど、なにも変わらないって」とAちゃん(同年)は言う。 空知も一瞬そうおもったけれど、やっぱり違ったらしい。 先日ポイントカ…
情報が出たらお知らせします、 と書いたきりだった『黒執事』のサントラが少し前に発売していました。 http://www.kuroshitsuji.tv/ 岩崎琢、GJ。 グレゴリオ聖歌風の響きもゴシックロマンな「Nigram Clavem」ではじまり、静謐な「坊ちゃんに紅茶とスコーン…
今年に入って、10年使いつづけてきたラルフ・ローレンのリネン(ピンク)を処分した。 かわりにやってきたのはローラ・アシュレイの白。 初夏のある夜、思い立って部屋中のカーテン(ピンク)を取り払い、洗濯した。 かわりにかけたのはシンプルなレースの白…