2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧
すべてはクラシック音楽の民主化のため――そうしてラ・フォル・ジュルネは20年前の1995年、ナントではじまった。以来、毎年12万人以上の来場者がやってくる巨大フェスティバルとなり、この地方の冬の風物詩へと成長。10年前には東京に上陸し、「100万人を動員…
今年もあの季節がやってきた。ナントでスタートしたラ・フォル・ジュルネに合わせて、1年前の現地取材の様子をご紹介したい。 1月の終わり。フランス北西の古都ナントでは0度以下の寒空がつづく。しかし、旧市街のはずれにある国際会議場、シテ・アンテル…
まもなく2周年を迎える連載「ルネ・マルタンの音楽日記」。 『ぶらあぼ』時代から数えると、もうすぐ丸9年。フランスや世界中で活躍している音楽プロデューサー、ルネ・マルタンとやりとりし、曰く“世界唯一の担当編集者”として彼の近況やお気に入りCDをご…
「オペラの登場人物のなかで恋人にするならだれ?」 女友だちとそんな話をしたときいつも票が集まるキャラクター、それがフィガロ(写真右、クリストファー・モルトマン)だ。 私が大好きなモーツァルトの『フィガロの結婚』は、モテ男の彼がついに年貢をお…
本日は、高野麻衣・選曲のOTTAVA selection vol.4『愛の小径 ~ LOVE SONGS』、発売日でした! たくさんの感想メッセージ、ありがとうございます。初恋やご夫婦の思い出、もちろん音楽に対する愛なども含めて、ひきつづきみなさまからのすてきなお便りをお待…
恋人は6月に咲いた 赤い赤いバラのよう 恋人は調べも美しい 甘い甘い音楽のよう 詩人バーンズの有名なポエムに出会ったとき、これは私のことだ、と衝撃が走ったのを覚えています。まだ十代のはじめでした。恋をしていると、心のなかでいつでも音楽を奏でてし…
高野麻衣・選曲のバレンタイン・コンピ『愛の小径 LOVE SONGS』が、皆さんのお手元に届き始めたようでうれしい土曜日。 <a href="http://otome-classic.hatenablog.com/entry/2015/01/19/174103" data-mce-href="http://otome-classic.hatenablog.com/ent…
[1/30追記] 2/21スタートのSalon de M第1回「恋のパシオン!~ラ・フォル・ジュルネ2015を100倍楽しむ方法」は、定員数に達しましたのでお申込みを締め切らせていただきました。たくさんのお問合せ、ご協力をありがとうございました。 ついに解禁、女優・小…
西の友人から、星組通信が届いた。まもなくはじまる戦いへの決意とトップ娘役への愛をこめて、コラムを再掲する。 きっかけは、「トップ娘役」の夢咲ねねだ。彼女をはじめて意識したのは2010年夏、雑誌『宝塚GRAPH』の表紙だった。金髪のウェーブヘアに、ふ…
週末、宝塚花組のミュージカル『アーネスト・イン・ラブ』を鑑賞。 オスカー・ワイルドの傑作喜劇『まじめが肝心(The Importance of Being Earnest)』を原作に、ブロードウェイがミュージカル化。ワイルドの皮肉たっぷり英国芝居のセリフ(一言多い)が、…
MISS Wedding 2015春夏号「最旬Bridal Journal」にて、ウェディングBGMとしておすすめのクラシック音楽を選曲しました。 クラシック音楽はもともと宮殿のBGM。マカロンやバラの花と同等の、気分を華やかにしてくれるエレメンツです。女の子の晴れ舞台である…
本日のOTTAVA Domenicのテーマは「イタリア!」。「イタリアン・バロック・ソングス」を歌うメゾソプラノ歌手、波多野睦美さんの登場で、寒い冬の午後をあたためちゃいます。 年明けからずっとイタリア気分な私。まずは2015年最初のコンサートをご紹介しなが…
小橋めぐみさんとの新年会として、旧前田侯爵邸を訪れた。 この洋館は、加賀前田家16代当主であり侯爵だった前田利為の邸宅として、1929年に建てられた。駒場の野趣にあわせた英国チューダー様式。長く英国で暮らした利為の生活が、いまもつづいているような…
『ボルジア家』のニール・ジョーダン監督のみならず、近年、映画とドラマの境界はほんとうにあいまいになった。 アガサ・クリスティの傑作推理小説をシドニー・ルメットが監督した名作映画『オリエント急行殺人事件』も好きだが、三谷幸喜の翻案ドラマ(1/11…
あいかわらず、ルクレツィア・ボルジアに夢中である。 この“高雅な公爵夫人”について書きはじめてから、何をしてもルネサンスのイタリアが目につく。誰かに囚われているときはいつもそうで、読書も選曲もすべてが楽しい。 せっかくなので、『花園magazine Vo…
英国貴族をテーマにした『世界ふしぎ発見!』に感動していた私に、ディレクターの中西朋さんが、自分が監督したある番組を見せてくれた。 『世界で一番美しい瞬間(とき)~パリ 秘密の扉が開くとき』。 毎年9月末に行われる「文化遺産の日Journee du patri…
本日の OTTAVA Domenicは、ワーグナー「さまよえるオランダ人」大特集! 新国立劇場でのロングインタビューから、林田さん&高野の“初心にかえる”本や紅茶のセレクトまで、盛りだくさんでお届けしました。 ◆新国立劇場オペラ『さまよえるオランダ人』(ゲス…
ついに「美人百花」デビュー! 創刊から読んできた大好きな雑誌で、初の選書をさせていただきました。テーマは「自分を高める本」。歴史、ビジネス、そして少女マンガから1冊ずつ、勇気をチャージするための3冊をご紹介しました。 侯爵夫人ポンパドゥール―…
メストレ駅を出発した後、電車は南東へと一直線に進み始める。気が付くとまわりにはラグーン(潟)が広がり、一瞬電車が海の上に浮かんでいるような錯覚に陥る。そんな不思議な10分という時間を経て、人々が電車でこの島に降り立った後、最初に目の前に飛び…
今年はじめての日比谷、丸の内へ。 午後の日差しと薔薇が楽しめる三菱一号館横のカフェにて、共演の山田俊幸先生、文京ふるさと歴史館館長・川口さんと歴史講座の打ち合わせをした。 &amp;lt;a href="http://otome-classic.hatenablog.com/entry/2015/01…
3/17◇ロンドン1日目 移動/公演日。ユーロスターでパリからまっすぐロンドンの会場、カドガン・ホールへ。驚くほどいいお天気でうれしかった。 静なスローンズ地区に位置するカドガン・ホールは、1907年に建てられた教会を改装した英国バロック様式の建物。…
2014年を振り返ったとき、そして将来わたしの音楽人生を振り返ったときにも忘れることができないだろう出来事。それが、東京フィルハーモニー交響楽団創立100周年記念ワールドツアーだった。 ニューヨークを皮切りに、マドリード、パリ、ロンドン、シンガポ…
Photo: ORF/Günther Pichlkostner 新春初のOTTAVA Domenica、テーマは「2015年にやりたい∞のこと」! ウィンナ・ワルツの華やかな気分の中で、シュトラウス2世『こうもり』とシャンパン消費量の甘い関係(?)などおしゃべりしつつ、 ◆シベリウス生誕150年…
三が日最後の夜、今年も海老蔵ドキュメンタリーをながめ、友人と語りあった。 過去の屈託と、それにともなう視野の広さ。「未来へつなごう」という意志。自分の存在が影響力を持っていることも、敵をつくりやすいこともよくわかっている海老蔵の、生まれなが…
Photo: Jun Keller 謹賀新年。 正月の朝の空気はすてきなもの。昔の人は、正月ならではのすがすがしく華やいだ雰囲気を「淑気(しゅくき)」と呼んだのだという。はじめて知ったのだが、とても美しいことばだ。「淑」は「淑女」にも使われる字。なんとなかく…