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Le cas Cecilia

「政治する女たち」で触れた仏大統領夫人セシリア・サルコジについてのまとまった特集を、ようやく読むことができた(COURRiER Japon 11月号)。
“お騒がせファーストレディ”であることは確かのようだ。
フランスのメディアを、まさに席巻。
(左は「パリ・マッチ」誌。ゴシップ誌の「ガラ」はセシリアを特集し47万部を売り上げ、「ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール」の特集号も、売上34%増だとか)
ジャッキーやダイアナと比較され、名門「ル・モンド」も次のように評価する。

冷たく、控えめで、反抗的。独立心が強くエレガントな女性である彼女は、向かうところ敵なし。 
セシリア・サルコジは、“人々に興奮と嫌悪を喚起する”。
まさに、現代のマリー・アントワネットだ。

どうも新大統領のニコラ・サルコジという人物には、世界が期待する“フランスの匂い”が欠けているように思える。
あまりに親米すぎる?
ぜい肉修整事件がカッコ悪すぎる?
それらを補うかのように、人気を集めるサルコジ妻。
決して“内助の功”的な意味ではない。
儀礼やしきたりに公然と異を唱え、G8サミットの晩餐会に大統領を残して帰国、数年前には恋人とニューヨークへ逃避行に及んだこともある。
うーん、アントワネット。
それでもフランス人は、“目下のところ…セシリアの反逆児的なところが気に入っているようなのだ”とAgnes poirierは伝える(英「インディペンデント」紙)。

セシリアは1957年パリ生まれ。
旧名*1は、セシリア・マリア・サラ・イザベル・シガネル・アルベニスだ。
曾祖父がイサーク・アルベニスであるのは周知のとおりで、今年5月16日の大統領就任式でフランス共和国親衛隊楽団が『アストゥリアス』を演奏したのも、彼女の指示によるものだという。
インターナショナルな環境で育ったセシリアは、パリ16区のカトリック系の学校で教育を受け、パリ第2大学で法学を専攻した。
しかし、当時からより華やかな世界を好んだセシリアは、学業をやめモデルの道へ。(身長179cm。前述の就任式では腕をあらわにしたプラダのドレス*2が話題に。)
その後、広報の仕事から国会議員秘書へと転身、最初の結婚を20代半ばで経験している。
ニコラ・サルコジとは再婚同士*3。
しかもW不倫の末だったため、結婚当初は“地獄”だったという。
そして2年前の家出――ニューヨークへの逃避行のスキャンダル。
スクープを表紙に堂々掲載した「パリ・マッチ」は、編集長解雇処分という憂き目に会った。

セシリアは、夫と生活をともにしてきた18年間、生活面をしっかり管理してきた賢妻と主張するジャーナリストもいる。
彼女は食生活やスケジュール管理のほか、夫の諸々の悩み相談にも応じたが、最終的には妻でしかなく、肩書きや報酬は存在しない。
そこに彼女を悩ませる矛盾――反逆児にさせる何か、があるのではないか、というのである。

サルコジ―マーケティングで政治を変えた大統領 (新潮選書)

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*1 この「旧名」というのも、最近気になっている。
ハイドシェック夫人のターニャさんは、結婚前「マリー・アントワネット」という旧名を持っていたという(もちろんChatchatさん情報)。

*2 イタリア・ブランドだから。

*3 連れ子がいて、みんな美男美女!
中央の小さなルイは2人の間の子。かわいい。