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篤姫

2008年、もうひとりのプリンセス。
絢爛な金箔のタイトルバックに、SAYURI風のヒロイン。*1
篤姫の人生における感情がほとばしる瞬間を、一枚の絵としてクリムト風にアレンジ」したそうだ。
吉岡幸雄の染色と、薩摩切子。音楽は吉俣良N響指揮は、われらが井上道義

大河ドラマは毎年見る派。*2
本格的にハマった作品が大原麗子による『春日局』(1989)で、最愛は『新選組!』(2004)だから、『篤姫』にはかなり期待をかけている。

――女の道は、前へ進むしかない。引き返すのは恥でございます。
薩摩藩主・島津家の分家に生まれた篤姫は、十三代将軍・徳川家定に嫁し、のちに維新の動乱の中で西郷隆盛ら新政府軍と渡り合い、江戸城を死守する。
脚本の田渕久美子は、「この国が混乱を極めていた時代に、最後まで誇りと覚悟を失わなかった女性」と性格づける。
篤姫は筋を通して、一本道を歩んだ女性。江戸城無血開城され、江戸の街が火の海になることを免れたのは、彼女の尽力抜きには語れない」(制作統括・佐野元彦)
尊王攘夷で大混乱の時代、男たちの理想論の中で、いかに女性がないがしろにされてきたか。心から平和を願う女性を描きたい」(演出・佐藤峰世)

ホームドラマ的要素も強くするという。
どおりでなんだか、「大河風 朝の連続テレビ小説」な雰囲気も。
たしかに『純情きらり』(2006)はいい作品だったが*3、女が主人公になると、やはりどこか現実に根を下ろした物語になるようだ。
昨年の『風林火山』と同じ枠とは思えない。
映画育ちの宮崎は演技も自然体なので、なおさらか。
舞台俳優率が高かった『新選組!』の作りこんだポップさとは、また別の新しさ。
このあたりがどうなるかは、ちらりと登場したクレイジー家定役・堺雅人いかん。*4

主演の宮崎(12才の於一)を出さねばならないからか、少なくとも初回のストーリーのテンポは速い。
生母お幸役・樋口可南子の気品にほれぼれ。*5
しばらくは樋口の艶やかさ、宮崎のお姫様修行に注目というところ。
全50回。

NHK 大河ドラマ篤姫
http://www3.nhk.or.jp/taiga/

篤姫 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)

篤姫 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)

 
*1 日本のテレビドラマ(一部映画)は、ハリウッド映画の本歌取りがお好き。
このヴィジュアルは、2007年の映画版『大奥』でも仲間由紀絵が演じている。

*2 『独眼竜政宗』(1987)以来、大河歴およそ20年(!)。
父が見る派だったためだが、年によっては途中大幅ワープもあり。
リクエストしたいのは、『日出る処の天子』(山岸涼子白水社)!

*3 一方、母は連続テレビ小説派。
『のだめカンタービレ』に登場した黒木くん(福士誠治)を見て、「達彦さん!」と叫んでいた。
きらり大好き母娘。
私は冬吾(西島秀俊)派だけど。

*4 山南さーーーん!!!

*5 新潟出身で糸井重里夫人のステキ女優。
樋口可南子のきものまわり』(集英社、右)は、「自分の好きな着物きて好きな人に逢い、好きなことしてるという着物を通して、好き好き光線いっぱい」という良書。
ほかにもキモノ関連著作等多く、武家の奥方が板についているのも納得だ。