MOVIE
「ヴァイオリンを弾くのは、きみにとって騒音なんだろうか?」ホームズは気遣わしげに訊いた。 「弾く人によります。上手な人の演奏なら至福の調べでしょうが、下手な人だと……」 「ああ、それなら心配ないですね」ホームズは快活に笑った。「これで話は決ま…
天才音楽家モーツァルトの生誕260年を記念して製作された、英国/チェコ合作映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』が公開された。 映画のモチーフとなるのは、村上春樹の小説『騎士団長殺し』でも話題となったオペラ《ドン・ジョヴァンニ》。モー…
私はオペラを愛する――それは人生と劇場の枠内に位置しているからだ。私はオペラへの愛好を『夏の嵐』の最初のシーンで表そうとした。劇場とバロックの世界――これが私をオペラに結びつける動機である。 ――ルキノ・ヴィスコンティ 映画監督によるオペラ演出。…
もしあなたが秋に来るのなら わたしは夏を払いのける 半分微笑んで、半分そっけなく ――エミリ・ディキンスン 今年も夏の終わりがやってきた。 どんなに暑くても、もはや夏ではない。なにかが終わってはじまるような、ト短調の、永遠に愛すべき季節。 すばら…
週替わりリコメンダーを担当しているラジオ「Memories & Discoveries」(JFN系)。私、高野麻衣の7月のテーマは、ずばりシャーロック・ホームズです。 じつは、わがホームズ特集はこれが第2弾。 昨年3月には、「ホームズはヴァイオリン演奏が好きで、じつは…
薔薇の季節でもある6月。 今週末10日(土)から16日(金)まで、いよいよMETライブビューイング2016-17の目玉にしてフィナーレ、R. シュトラウスのオペラ『ばらの騎士』が“上演”される。 ハプスブルク王朝下のウィーン。元帥夫人マリー・テレーズは、年下の青年…
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017、いよいよ東京にて開幕! 今年のテーマは「ラ・ダンス 舞曲の祭典」。休憩なし1時間のショート・プログラムに、映画感覚のチケット代(1500~3000円程度)で楽しめるコンサート――この春、映画『ラ・ラ・ランド』に…
はじめてのSMAPインタビューから3年。 本日発売のSPA!にて、木村拓哉さんの単独インタビューを担当いたしました。 nikkan-spa.jp 4月29日公開の映画『無限の住人』で、20年以上第一線を走り続ける自身の鏡写しのような「不死身の男・万次」を演じた木村拓哉…
夜の劇場、それはナイトスポットの中でも、特に憧れる場所のひとつ。 というわけで、「夜のときめき」を特集した紙版『花園magazine』Vol.9 2016 秋冬号に、コラム「LAST NIGHT AT A THEATRE -昨夜、とある劇場で-」を寄稿させていただいた。 【お知らせ】紙…
あっというまに小正月。 年頭に綴った2017年のテーマを胸に、晴天の日々を過ごしております。 「ディテールが勝敗を分ける。そのディテールを日々、突き詰めているかどうか。きょうだけディテールを突き詰めてもダメなわけで、大事なのは日常なんです」 毎日…
『ロベルト・デヴェリュー』(2016) ©Ken Howard, Metropolitan Opera ――英国熱がおさまらない、 ということでスタートした連載「エンタメでわかる英国史」。手はじめにこの夏、METライブビューイングのアンコール上映で見た「チューダー朝女王3部作」より、…
『マリア・ストゥアルダ』(2013) ©Ken Howard, Metropolitan Opera ――英国熱がおさまらない、 ということでスタートした連載「エンタメでわかる英国史」。前回は、METライブビューイングのアンコール上映で見た「チューダー朝女王3部作」より、第1作の『ア…
『シーモアさんと、大人のための人生入門』©uplink 10月も半ばになって、急に秋が深まりましたね。 女優・朝倉あきさんのナビゲートでお送りするFMラジオ番組「Memories & Discoveries」、放送中の10月のテーマは「映画で出会ったラブソング」第2弾です。 …
『アンナ・ボレーナ』(2011) ©Ken Howard, Metropolitan Opera ――英国熱がおさまらない。 先日は、METライブビューイングのアンコール上映で、二度目の『ロベルト・デヴェリュー』を鑑賞した。 『ロベルト・デヴェリュー』は、『アンナ・ボレーナ』『マリア…
残暑お見舞い申し上げます。 休暇から帰京し、先日は“わが聖域” 三菱一号館美術館へ。 大雨のなか、誰もいない一号館広場の静寂に浸り、晴れ間には、いつも美しいコンドルの薔薇たちに挨拶も。さまざまな表情を見かけるたびに、愛が深まります。 2016年上半…
7/28発売の25ans 9月号「ときめき買いリスト」特集にて、いま“心からときめくカルチャー”について語らせていただきました。 25ans |ハースト婦人画報社 「ときめき買いリスト」は、ファッション、美容、カルチャーを横断する、巻頭特集。 “トレンドも大事だ…
真田丸 第25回「別離」。 息子を喪った茶々の嗚咽という、幕切れ。ここ数週、三谷幸喜が描く敗者の美、滅びの予感といったものにえぐられ続けている。 もうひとつが、好敵手同士の絆。 茶々が感情を解放できたのが、唯一、おなじ男を分かちあう正室・寧の腕…
Photo: Nirai Tasato 続々、更新です! ソニー・ミュージックエンターテインメント運営の情報サイト「エンタメステーション 」にて、「METライブビューイング」ファン代表女優・小橋めぐみインタビュー「映画館で、オペラに溺れて、恋をして」を企画、構成、…
ソニー・ミュージックエンターテインメント運営の情報サイト「エンタメステーション 」にて、「シャーロック・ホームズの「音」世界」の特集を企画、構成、執筆しました。 「この春話題作がつづいたホームズもの、シャーロッキアン的に音楽や声もこだわりぬ…
「クラシック・プレイリスト」週替わりリコメンダーを担当しているFM音楽番組「Memories & Discoveries」。 高野麻衣の3月のテーマは、「シャーロック・ホームズ 音楽のラブレター」。 21日からの一週間、コナン・ドイルの原作や人気ドラマに登場する楽曲を…
1/25に発売された『ACT4』70号での話題は、まもなく開幕するナントのラ・フォル・ジュルネ。 テーマはもちろん、日本とおなじ「ラ・ナチュール/自然」。ヴィヴァルディからマックス・リヒターまでの欧米のクラシックはもちろん、フランスでも大人気の武満徹…
大晦日の午後、ゆったりとすてきな1年を振り返る―― 一年間の感謝をこめて、恒例のHIT LISTをご紹介いたします。 ●WORKS 2015年は、この数年で広げた自分の仕事を見つめなおし、なにがほんとうに大切なのかを学ぶ「成長」の年になりました。 OTTAVAや東京フ…
音楽雑誌「モーストリー・クラシック」2月号の特集は、クラシックと映画音楽。 この特集のなかに、1月公開のドキュメンタリー映画『ロイヤル・コンセルト・ヘボウ~オーケストラがやって来る』に登場した、ケルステン・マッコール(首席フルート奏者)&グ…
現在タワレコで配布中のフリーマガジン「intoxicate」 12月号にて、11月に来日したロイヤル・コンセルトヘボウ管(RCO)のケルステン・マッコール(首席フルート奏者)&グスターボ・ヌニェス・ロドリゲス(首席ファゴット奏者)へのWインタビューを掲載して…
週明けの14日(月)から、JFNの音楽番組「Memories & Discoveries」にて、「クラシック・プレイリスト」のレギュラーリコメンダーを担当をすることになりました。 「Music & Discoveries」は毎週月曜日〜木曜日28時〜29時30(毎週火曜日〜金曜日、朝4時…
10月22日から10日間にわたって、六本木ヒルズ他で開催された第28回東京国際映画祭が閉幕しました。 ソニー・ミュージックエンタテインメントのポータルメディア「エンタメステーション 」では、映画評論家ではない“フツーの女子”による「TIFFリポーターズ」…
10月22日より六本木ヒルズにて開催中の、第28回東京国際映画祭(TIFF2015)。 ソニー・ミュージック・エンタテインメントのポータルメディア「エンタメステーション 」では、映画評論家ではない“フツーの女子”による「TIFFリポーターズ」を結成し、連日レポ…
10月も半ばを過ぎ、芸術の秋を満喫している人も多いはず。展覧会に読書に映画……なかでも観劇は、デートやパーティーと並んでおしゃれのしがいがあるシチュエーションだ。 25ans「エレ女の美容道」特集でも表明したとおり、「正装は人ありき」。劇場の人々に…
OTTAVA Domenica Specialもいよいよ最終回。テーマは「カフェ」と「自由の大地」。パリやウィーンのカフェ、そして日本の喫茶店文化ではぐくまれた音楽、そして20世紀のクラシックの中心地となった自由の国、アメリカです。 バッハ:コーヒー・カンタータ「…
今年は、ドキュメンタリー映画の当たり年なのかもしれない。 そんな確信を抱いたのは映画がはじまってすぐ、ボリショイ劇場の元バレエ芸術監督アキーモフが、こんなふうに語りだしたときだった。 ボリショイ劇場は、定期船と同じだ。航海を続けることを運命…