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蒼樹紅のこと

 『バクマン。』(大場つぐみ小畑健集英社JC)は、リアル出版界(少年ジャンプ編集部)を描いた物語でありながら、ジャンプマンガの王道――
・ 能力を秘めた主人公と相棒との冒険の旅
・ 強敵に次ぐ強敵(やがて仲間になる)
・ 友情努力勝利!!!
・ 冒険のゴールとなる美少女ヒロイン
を貫いている。
さすが大場つぐみだとおもう。
同タッグの『DEATH NOTE』同様、書評向きの作品でもあるからすでに作品論も多い。

わたしも巧妙さに唸りながら、おもしろく読んできた。
特に本作は、『DEATH NOTE』では道具扱いだった女性の描き方がリアルでおもしろい。
なかでもいやな女だなーと思いつついちばん共感してしまうのが主人公たちのライバルのひとり、新人作家・蒼樹紅であり、まるで同じ年頃の過去の自分を見ているようでこそばゆかった。
そんな蒼樹がシュージン(主人公の相棒)に急接近し、素の不器用さ、みたいなものを出しはじめたあたりから彼女の人気は急上昇したのではないだろうか。
お洋服もカワイイし。
わたしは前号(WJ03/04)の王子(福田)登場シーンでノックアウト。
  
 
福田と蒼樹の関係性は、わたしにとって理想形かつリアルだ。
「連載目指してんだろ!?/あーーっ!?
話も絵もやるんだろ!?/寝ねーで描けよ!
睡眠不足はお肌に悪いからなんて言わねーよな!」
福田さんんんん!

なんだよ「いい子だ」って。「ル・べべ」かよ。
もうこれは呪いに違いない。

ラブな妄想エンドレス(もちろん銀魂)のつづきも気になるが、バクマン。のつづきが18日なのはもどかしすぎる。
 
 
 
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/
http://www9.nhk.or.jp/anime/bakuman/

バクマン。 9 (ジャンプコミックス)

バクマン。 9 (ジャンプコミックス)

 

 

  * 蒼樹紅(あおき こう) はWJではめずらしい女性作家。泣きぼくろが特徴の美人。
東応大学(=東大)大学院在学中ながらプロとしてマンガを執筆。もともと『マーガレット』で少女漫画を描いていたが、「この手のファンタジーなら少年誌でやった方がいい」という編集部の勧めで原作者としてWJに移籍した。大学2年時にストーリーキング ネーム部門で準キング入賞。連載『hideout door』終了後、再びひとりで描きはじめた。
生真面目で他人に心を開くのが苦手なため、クールでプライドが高いと見られがち。"福田組"、特に福田に対しては強い抵抗感を持っていたが、彼らとの出会いを通し内面に変化が現れている。

福田真太はWJの編集部から将来を期待されている新人漫画家の一人。蒼樹とほぼ同年。銀色の長髪で、部屋の中でもニット帽をかぶっているストリート系(の見た目の)青年。
高校卒業後漫画家になる夢を抱いて上京、夢を実現させるかフリーターで終わるかの「一か八か」の生活の中で、アルバイトを掛け持ちしながら連載を目指してきた。作風は、過激なバイオレンスとギャグ、お色気のヤンキー系?
強引な性格だが、面倒見のいい兄貴肌。直情的で、年齢や社会的地位に関係なくまっすぐ意見することが多いため、編集者からは生意気な性格と見られているが、年下の主人公らには慕われている。
マンガに対する知識や情熱は誰にも引けを取らない。
「俺達が『ジャンプ』を変えていくんだ!」