【掲載情報】エンタメステーションにて『黄金のアデーレ』『FOUJITA』他、映画祭の日々をレポート!
10月22日から10日間にわたって、六本木ヒルズ他で開催された第28回東京国際映画祭が閉幕しました。
ソニー・ミュージックエンタテインメントのポータルメディア「エンタメステーション 」では、映画評論家ではない“フツーの女子”による「TIFFリポーターズ」を結成し、映画祭の様子を連日レポート。たくさん観て、たくさん書いて、たくさんの人に読んでいただく幸福を味わいました。
高野麻衣のレポートは、合計12本。
後半は、オフィシャル・レポートしての受賞式速報から、
大好きなマンガが原作の『亜人』ワールドプレミア取材、
そしてこだわって選びぬいた映画レビューまで、「この作品を多くの人に届けたい!」という思いのたけをつづりました。
振り返ってみると、私のレビューのテーマは20世紀、ナチスの罪、そして人々の絵画や音楽にかける思いでした。
私がもっとも印象的だったのは、
「バカ騒ぎをすればするほど、生きている気がするのです」
というセリフでした。絵がうまくても、名が知られていなくては意味がないと考える藤田。フジタというキャラクターを最大限に利用した乱痴気騒ぎのあと、静寂に包まれた自宅で、妻ユキを相手にこぼします。
私もそうかもしれない、とドキドキしました。時折、なんのために毎日走りまわっているんだろう、と考えることがあります。楽しい時間も多いけれど、ふと思うのです。努力の先にあると信じている“何か”ってなんだろう、と。
藤田は、なんのために絵を描いたのでしょう?
私はなんのために? 生きている実感を得るため――そうなのかもしれません。だとすれば、連日たくさんの文章を書いて、たくさんの方に読んでいただきながら、仲間と映画を観て、飲んで、笑って、語り合ったこの映画祭の10日間は、生きる喜びそのものでした。
「でもなんといってもエンドロールの、ランスの聖堂の画家自身の壁画が、圧巻だったよね」
『FOUJITA』を観て、そんなことを仲間と話しました。最終回の『ボーン・トゥ・ビー・ブルー』を見終えて号泣しながら、メンバーとハグした夜も忘れられません。コンペティションの作品をすべて観ることは叶わなかったけれど、授賞式では、それぞれが観た作品の情報交換をしながら楽しむことができました。
これらはすべて、映画祭ならではの喜びです。
来年はきっとぜんぶ観たい。インタビューもカメラもうまくなりたい。そんなことを考えながら、余韻を楽しんでします。
編集部と、応援してくださったみなさまにあらためて御礼を申し上げます。
個々の作品には、まだまだ書きたいことがいっぱい。
作品の「Salonette的考察」についてはまたのちほどですが、まずはエンタメステーションでの濃密な日々を、文章から感じていただければ幸いです。