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シエル・ファントムハイヴの事件簿

あるいは「ファントムハイヴ家の犬」?
そんな様相を呈してきた『黒執事』である。 
BGM: 221B, BAKER STREET(グラナダTVシャーロック・ホームズO.S.Tより)

第7話「その執事、遊興」は原作にないオリジナルストーリー。
法律の抜け穴をくぐり、裏で「犬虐め」を行う村を、女王の保養地の名目で確保しに来たシエル達。しかし、出迎えた村の有力貴族ヘンリー卿は、祟りがあるために、女王の命令でも買収には応じられないと提案を断固拒否する―。
以上があらすじ。
女王の依頼、という名目で“女王の番犬”設定をフル活用だが、差別や動物虐待の歴史にもつながるようなリアルな19世紀設定&退廃の香り漂う妄執の男に、拒否反応を起こすお嬢様たちも多そうだ。

ただしオトクラは、あくまでヴィクトリアン萌えですから。
広大なダートムアを進む馬車、祟りを信じる村人や領主、グリーンの光を帯びた魔犬のシルエット――作中の“THE「バスカビル家の犬」”なシナリオに、製作サイドのシャーロキアンぶり(しかもグラナダTV)を確信。ニヤリ。
だってヘンリー卿って、ヘンリー・バスカビルでしょ?
姓のバリモアって、バスカビル家の執事でしょ?
執事の名が主要人物につけられるなんて、さすが執事アニメというべきか。
ミステリアスに登場し、「ロンドンにお帰りになって!」と警告するアンジェリーナは、さながらベリル嬢だ。
とすると、やっぱりけだるげなシエルはホームズ…… の頭脳担当?(実働はセバスチャンの担当)

今回、あらためてどんなにグラナダ・ホームズに憧れをかきたてられてきたかを再確認。
朝食やティータイムのテーブルはやはり、病的に気になる。ただ茶器があるだけでもう、しあわせなのだから、これは萌えとしかいいようがない。円形のカード立てのような銀器はどうやら「トースト立て」であるらしく、朝食の場面に頻出していた。
同じ観点で作品に影響を受けているとしたら、やはり『黒執事』、好きにならずにはいられない。

「執事」や「社交期」といった検索ワードも増えている。
そもそも「執事とは?」にはじまり、英国貴族の生活、紅茶やお料理、シエルのステッキやハット、シールリング…そしてサントラ。
ネタは尽きない。
オトクラは、今後もヴィクトリアンを強化し、乙女たちの疑問に答えていきたい模様。

 

 

黒執事 6 (Gファンタジーコミックス)

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