ロージー・オータムナル
ヴィクトリアン強化の続行を宣言したとたん、世界のKitchenから(c)キリンビバレッジのニューフェイスについて報告を頂いた。
秋らしいダージリン。もちろん、イングランドの知恵が採用されている。
「香りつきのダージリン茶」というよりは、まさに「ドライフルーツを紅茶で煮こんだもの」。アプリコット、レーズンにマンゴーという取り合わせも、大英帝国の歴史を思えば感慨深い。
よくある紅茶飲料よりも深みがあるように感じるのは、こうした物語性ゆえか。
サイトに綴られた「イングランド旅行記」がまたいい。
旅の舞台はロンドンと、ロンドン近郊イングランド中央部に位置するオックスフォード州、サリー州、そしてケント州。
オックスフォードのシンクレア家の、1700年代に建てられた邸宅、ヴィクトリアンの家具調度。
クイーンズ・イングリッシュと真珠のネックレスが似合う老婦人が語る、英国貴族のティータイム――その過去と現在。“濃さ”へのこだわり。*2
同じオックスフォードにある“お菓子作り名人”ウェンディのキッチンからは、ドライフルーツたっぷりの「ティーブレッド」、ケント州のティーガーデンでは、ドライフルーツを煮てからつくる「フルーツケーキ」。
そしてサリー州に住むローズマリーのキッチンでは、ドライフルーツをマーマレイド(本来は牛脂)とブランデーに漬けて1週間混ぜ合わせたミンスミートを包んで焼き上げる「ミンスパイ」を教わる。
今年のクリスマスは思いきりヴィクトリアンに、手作り初挑戦もいいかもしれない。
最後にダージリン茶について。
ダージリンDarjeelingはインドの西ベンガル州の北端、ヒマラヤ山脈のふもとの産地茶で、世界三銘茶のひとつ。高地の涼しい気候、適度な湿気などが「マスカット・フレイバー」と呼ばれる優雅な香りを与えるという。
4月から5月にかけて摘まれる新茶は「ファーストフラッシュ(一番茶)」として、その若々しい香りが特に珍重される。
秋のダージリン高原では冬を控えて最後の茶摘が行われるが、この時期の茶葉の成育は遅い。そのぶんだけ香りがやさしい。
茶葉がやや赤味をおびているので、「ロージー・オータムナル」と呼ばれる。
秋の、薔薇色の、ダージリン。
ダージリンはミルクにも合うが、プレーンで香りと色を愉しむのもいい。
大型のOP(オレンジ・ペコー)に仕上げられているので、じっくり蒸らし、十分に葉を広げる。
暖かく心地よい部屋で、気に入りの茶器を広げ、紅茶のためだけの時間を過ごす。
いとおしい温もりは、体も心もじんわり暖めてくれるだろう。
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