英国
「ヴァイオリンを弾くのは、きみにとって騒音なんだろうか?」ホームズは気遣わしげに訊いた。 「弾く人によります。上手な人の演奏なら至福の調べでしょうが、下手な人だと……」 「ああ、それなら心配ないですね」ホームズは快活に笑った。「これで話は決ま…
カルチャーマガジン『Febri』(一迅社)でのコミック・リコメンド。 「アニメファンにも読んでほしいマンガ」をテーマに、ジャンルを問わず注目の作品をご紹介しています。 第6回は、ホームズの宿敵の語られざる物語『憂国のモリアーティ』。いま最も気にな…
4月よりスタートした、カルチャーメディア「楽活」の「アート×音楽」連載。 高野麻衣が話題の展覧会を巡りながら、 心に浮かんだ楽曲をプレイリストでご紹介いたします。 第2回の舞台はロンドン。「くまのパディントン展」の音楽です。 現在、Bunkamura ザ・…
2018年5月。エリザベス2世女王陛下の孫で、王位継承順第6位であるハリー王子がメーガン・マークルと結婚、サセックス公爵夫妻となった。 潔い白で統一されたドレスや花々に、英国の5月の緑と日差しが映えるロイヤルウェディング中継にうっとりした方も多いだ…
ホームズやワトスンは何を食べ、どんな音楽を聴いていた? ということで、十二夜を迎える1月6日、19世紀ロンドンの「歴メシ(歴史再現料理)」をおいしく食べる音食紀行「シャーロック・ホームズ生誕祭2018」 が開催された。 ホームズやワトソンは何を食べ、…
カルチャーマガジン『Febri』(一迅社)でのコミック・リコメンド。 「アニメファンにも読んでほしいマンガ」をテーマに、ジャンルを問わず注目の作品をご紹介しています。 第2回は『薔薇王の葬列』。大好きな英国史を舞台に、シャエイクスピアを原案に描か…
来たる2018年1月6日(土)、シャーロック・ホームズの誕生日を祝して開催される 【音食紀行】シャーロック・ホームズ生誕祭2018 | eventon(イベントン) に、ゲスト出演することになりました。 主催は『歴メシ!』で話題、世界の歴史料理をおいしく食べる「音…
7月、東京・吉祥寺の霧とリボンにて、コナン・ドイル「シャーロック・ホームズ」の展覧会を共催いたします。 霧とリボン 【TOP】高野麻衣 × 霧とリボン ホームズ・オマージュ共同企画展 《The Mauve-Headed League~菫色連盟》 初登場から130年、映画やドラ…
週替わりリコメンダーを担当しているラジオ「Memories & Discoveries」(JFN系)。私、高野麻衣の7月のテーマは、ずばりシャーロック・ホームズです。 じつは、わがホームズ特集はこれが第2弾。 昨年3月には、「ホームズはヴァイオリン演奏が好きで、じつは…
今宵は十二夜(Twelfth night)。 十二夜とは、クリスマスから12日目(1月6日)に東方の博士がベツレヘムの幼子イエスを訪ねた故事から、それを祝う顕現日のこと。エリザベス朝では、前夜からはなやかな行事がおこなわれ、人びとはお祭り気分に酔った。 この…
去る12日、「マリー・アントワネットのお茶会」が閉会。 熱いリクエストをいただいた続編も含めて、来年に向けて続々とマリー企画がつづきます。 マリー企画の詳細はあらためますが、王妃はもはや「親友」のような存在。「闘うプリンセス」の真実が、たくさ…
『ロベルト・デヴェリュー』(2016) ©Ken Howard, Metropolitan Opera ――英国熱がおさまらない、 ということでスタートした連載「エンタメでわかる英国史」。手はじめにこの夏、METライブビューイングのアンコール上映で見た「チューダー朝女王3部作」より、…
『マリア・ストゥアルダ』(2013) ©Ken Howard, Metropolitan Opera ――英国熱がおさまらない、 ということでスタートした連載「エンタメでわかる英国史」。前回は、METライブビューイングのアンコール上映で見た「チューダー朝女王3部作」より、第1作の『ア…
9/25に発売された『ACT4』74号の特集は、没後400年で盛り上がるウィリアム・シェイクスピア。 謎に満ちた世紀の劇作家の生涯を、現地・英国の美しい風景とともに辿ります。 そんな特集を意識したわけではないのですが、ルネ・マルタンの「今月のCD」は、英国…
『アンナ・ボレーナ』(2011) ©Ken Howard, Metropolitan Opera ――英国熱がおさまらない。 先日は、METライブビューイングのアンコール上映で、二度目の『ロベルト・デヴェリュー』を鑑賞した。 『ロベルト・デヴェリュー』は、『アンナ・ボレーナ』『マリア…
三重県総合文化センターの情報誌「M NEWS(エムニュース)」でスタートした連載コラム。 音楽がどんな経緯で生まれたのか。どんな時代、どんな人に愛されたのか――そんな「ミュージックシーン」を切り口に音楽にアプローチします。 第2回は、英国気分高まるま…
夏の終わりの英国気分、最高潮である。 恒例のHIT LISTでは、『ゲーム・オブ・スローンズ』に端を発した2016年上半期の英国熱を綴った。 「ドラマもオペラもオリンピックも、歴史ロマンに満ちている」と、わたしは本気で思っている。現実の世界には信じられ…
残暑お見舞い申し上げます。 休暇から帰京し、先日は“わが聖域” 三菱一号館美術館へ。 大雨のなか、誰もいない一号館広場の静寂に浸り、晴れ間には、いつも美しいコンドルの薔薇たちに挨拶も。さまざまな表情を見かけるたびに、愛が深まります。 2016年上半…
東京・上野でスタートした「HELLO, MY NAME IS PAUL SMITH」展へ。 英国人デザイナー、サー・ポール・スミスの偉業を網羅する――というよりは、「ポール・スミスができるまで」といった趣のユニークな展覧会だ。 入場した瞬間に息をのむ一面の「アートウォー…
敬愛なる英国女王エリザベス2世は、今年で90歳。 先週末には、国を挙げての祝賀パレードが行われました。殿方たちの軍服の赤に、女王陛下のスーツのライトグリーンがあざやか。4月生まれの女王陛下のバースデーを6月に祝うのは、この季節が「英国が最も美し…
ソニー・ミュージックエンターテインメント運営の情報サイト「エンタメステーション 」にて、「シャーロック・ホームズの「音」世界」の特集を企画、構成、執筆しました。 「この春話題作がつづいたホームズもの、シャーロッキアン的に音楽や声もこだわりぬ…
「クラシック・プレイリスト」週替わりリコメンダーを担当しているFM音楽番組「Memories & Discoveries」。 高野麻衣の3月のテーマは、「シャーロック・ホームズ 音楽のラブレター」。 21日からの一週間、コナン・ドイルの原作や人気ドラマに登場する楽曲を…
世界平和を守りながらも歴史の闇に葬り去られた、影のヒーロー。 こういう設定は、昔から映画やマンガ、ファンタジー小説の世界なんかではおなじみのもので、いまさら目新しくもなんともない。でもそれが、私たちも生きた20世紀の、ノルマンディー上陸作戦や…
楽しみにしていたJO MALONEの新コレクションが店頭に並んだ。 テーマは「Rock The Ages」。英国の5つの時代――左からチューダー、ジョージアン、ヴィクトリアン、エドワーディアン、現代を表現した香りということで、英国史好きの私としてはときめきが止まら…
2月ですね。横浜の「ホイッスラー展」もあとひと月、もうご覧になりましたか? リニューアルしたgirls Artalkにて、昨年12月に横浜美術館で開催した「ホイッスラーと19世紀ロンドンがわかる 横浜アートツアー」のレポートが掲載されました。 高野麻衣による…
『ボルジア家』のニール・ジョーダン監督のみならず、近年、映画とドラマの境界はほんとうにあいまいになった。 アガサ・クリスティの傑作推理小説をシドニー・ルメットが監督した名作映画『オリエント急行殺人事件』も好きだが、三谷幸喜の翻案ドラマ(1/11…
3/17◇ロンドン1日目 移動/公演日。ユーロスターでパリからまっすぐロンドンの会場、カドガン・ホールへ。驚くほどいいお天気でうれしかった。 静なスローンズ地区に位置するカドガン・ホールは、1907年に建てられた教会を改装した英国バロック様式の建物。…
2014年全英チャート2週連続1位を獲得した、ロンドン発のヴォーカルグループVOCES8(ヴォーチェス・エイト)。月曜の夜、表参道のApple Storeでライヴイベントが開催された。開放的な店内はもちろん、やさしいイルミネーションに包まれた歩道まで、観客がいっぱ…
《白のシンフォニー No.3》 1865-67年 バーバー美術館(バーミンガム大学附属)The Barber Institute of Fine Arts, University of Birmingham [12/13追記] ご好評のうち、終了いたしました。ありがとうございました。 音楽的な美の世界を描き出そうとしたホ…
京都より横浜へ、いよいよ「ホイッスラー展」がやってきた。 ジェームズ・マクニール・ホイッスラー(1834-1903)は、ちょうどヴィクトリア女王の治世とともに生きたクロス・チャンネル(英仏海峡を往復)の画家だ。 アメリカに生まれ、パリで学び、19世紀末…