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バカラック LOVE セレナーデ


Arthur's Theme by Christopher Cross - YouTube

セレナーデ serenade [英] 小夜曲、夜の調べ
(ヨーロッパの風習として男が貴婦人の家の窓の下で歌う叙情的な楽曲)


昔から大好きなメロディ。
“恋人に捧げる”つながりで思い出したのが、クリストファー・クロスの「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」。いまでもラジオなどで流れる、あまりにも有名なバラードだ。
「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」というタイトルは実は邦題で、もともとのタイトルは"Arther's Theme~The Best That You Can Do"。
1981年にヒットしたアメリカ映画"Arthur"の主題歌として発表されたものである。この前年にデビューし、新人ながらグラミー5部門制覇を成し遂げたクロスが、独特の透明なハイトーンで歌い上げた。
歌詞もメロディに劣らず美しい。 

If you get caught between the moon and New York City
The best that you can do is fall in love.......  
もしも月とニューヨーク・シティの間で動けなくなってしまったら
あなたにできる最善のことは、恋に落ちること

うん、やっぱり邦題の方が似合う。
そういう場合もある。
そして、アカデミー賞の主題歌賞にも輝いたこの名曲の、作曲者として名を連ねているのが"Mr.Romantic"ことバート・バカラックであったことを知ったのは、つい最近のことである。

20世紀を代表する作曲家バート・バカラック
ビートルズのように自らプレイするアーティストではないのに、その名前を聞いただけで思い出す名曲の数々。
名作映画『なにかいいことないかい、仔猫ちゃん?』(What's new pussy cat?,1965)や『007/カジノロワイヤル』(007/Casino Royale, 1968)のサントラ。 ディオンヌ・ワーウィックの「小さな願い (I say a little prayer)」、 シラ・ブラックの「Alfie」、 そしてカーペンターズによる「遙かなる影 (Close to you)」……
ほんとうに、愛すべきメロディはみんな彼が生み出していた!!
稀代のメロディーメーカー。
ジョージ・ガーシュインの直系という説も聞いたし、下記サイトには、
編曲においては、ジャズを出発点としながらもボサノバの世界的流行の波に洗われた時代にその影響が作風に反映されモダンな和声と複雑なリズムパターンが独自のバカラックスタイルとして確立、またその楽曲がラテン系アーティストに逆にカバーされる現象ともなった。
などと難しい解説がしてあるが……

なによりもバカラックは、ダリウス・ミヨーの弟子。
ミヨーといえば、民族音楽のリズムを取り入れて再構築し、新たな音楽を作った音楽家だ。
バカラックボサノヴァやソウル、R&Bのリズムを自分のものにして、独特のバカラック・サウンドを作り上げていった背景は、クラシック。
そこのところを、もっと深く掘り下げてみるのもおもしろい。

彼の楽曲の数々は、同世代の作品が“オールディーズ”と呼ばれるのに対し決して色褪せず、歌い継がれていくことだろう。
それがクラシック音楽の海の、懐の深さ。
そこを漂うのが、楽しくて、楽しくてたまらないの!!

バート・バカラック 来日公演
2月16日(土),17日(日)●東京国際フォーラム ホールA 他
http://sp.eplus.jp/burt/ 

バカラック・ベスト~生誕80年記念スペシャル

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