プリンセスという魔法
久々のディズニー・プリンセス(ひと捻りあるものの)に大期待だった『魔法にかけられて』だが、いい意味で予想を裏切ってくれた。
ピンクとパープルのグラデーションも美しいリアル・シンデレラ城に、物語のはじまりに絵本をひもとくおなじみのオープニングも、涙がでるほどガーリィ!
女の子の好きなものを結集したような、愛すべき映画!
まったく、なんてガーリィなニューヨークだろう!
実写でありながら絵画的なシーンの連続は、アニメーションの世界観そのものだ。*1 白雪姫からシンデレラ、オーロラに『美女と野獣』のベルまで、歴代プリンセス・ファンにはたまらない知的なセルフパロディの数々に思わず唸る。
いや、パロディというより、これはオマージュ。
おきまりの舞踏会のシーンの輝きで、古典に対する愛は絶頂に達する。
音楽は大御所アラン・メンケン。
美しい旋律にのせ、プリンセスはいつだって歌う。それは、美声を授けられたせいでもあるが、なにより明るく歌えば苦難も乗りこえられるから。世界中が味方になり、王子もやってくるのを知っているから。
プリンセスはタフである。決して、待っているだけの存在ではない。
フェミニズムの見地からディズニー映画を嫌う人も多いときく。
しかしもはや解放された私たちには、プリンセスたちの頑固な夢の力こそが必要なのだ。
キャリアウーマンのナタリーが、最後にどういう決断をするか?
みればわかる。
あなたもENCHANTEDされるはずだから。
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お姫様とジェンダー―アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門 (ちくま新書)
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