【連載】Febri「アニメファンのためのマンガ案内」第2回『不滅のあなたへ』
10月よりスタートした、カルチャーマガジン『Febri』(一迅社)でのコミック・リコメンド。
「アニメファンにも読んでほしいマンガ」をテーマに、ジャンルを問わず注目の作品をご紹介しています。
第2回は『不滅のあなたへ』。週刊少年マガジンで連載中の話題作です。
『不滅のあなたへ』。美しいタイトル である。最初に目に飛び込んできたの も、美しい表紙画のせいだった。夜明け の空を背に微笑む、少年とオオカミ― その画に、遺された一枚の写真のよう な、不思議なせつなさを抱いたのだ。
物語は、謎に満ちている。何者かによ って地上に投げ入れられた「球」が大切 な存在と出会い、オオカミや少年や少女といった「形」になり、不死であるために「フシ」と名づけられ、旅をして成 長していく。さまざまな出会いと別れ を描く連作群像劇のようでもあり、その世界にどんな秘密が隠されているのか、後世の歴史家のように謎を追って いくミステリのようでもある。しかし、なにより心に残ったのは、「フシ」が出 会う人々の鮮やかな心理描写だった。
さすが大今良時、というほかない。 何を隠そう、私は昨年劇場公開された アニメ『聲の形』をきっかけに、原作者・ 大今に魅了された新参者のひとりである。現代の高校生たちを描いた『聲の形』も斬新な描写の塊ではあったが、こ こにきて、その粋のようなものを見せ つけられるとは!
(後略)
そして今号では「タウンスポット・リコメンド」として、昨年からドハマり中の「コニカミノルタ プラネタリウム」のガイドも執筆しました。
プラネタリウムと聞いて、子ども時代の科学館を思い出す人は多いだろ う。あるいは近年の、デートスポットと しての話題だろうか。しかし、今やプラ ネタリムは、いずれとも違う存在にな ろうとしている。私的感覚で一番近い のはエステ。仕事をがんばったときのご褒美、あるいは、これからがんばりたいときの気合のため、自分をメンテナ ンスするために訪れる「日常の中の贅 沢」だ。
きっかけは細谷佳正だった。ある冬の午後、疲れた私の脳に「プラネタリウ ムに行こう」という啓示が訪れた。ざらっとした男っぽさの中に詩情を秘めた細谷さんがナレーション、serphが音楽を担当し、アロマまで楽しめるというヒーリングプラネタリウム――運命 的な直感に導かれサンシャインシティへ急ぎ、未知の楽園の扉を開いたのだ。
(後略)
なんと、コニカミノルタ プラネタリウム株式会社のプロデューサー佐野大介さんへのインタビューまで実現。先端技術を扱う老舗メーカーが、なぜ画期的なプラネタリウム事業を展開しているのか、なぜこんなにも私たちのツボを押さえてくるのかについて直撃(直訴?)することができました。
愛って、人に伝えるものですね……。
プラネタリウムについては、”天空”リニューアル内覧会のレポートともに、あらためて記事にしたいと思います。
次号は12月中旬発売予定。どうぞお楽しみに!