BOOK
「ヴァイオリンを弾くのは、きみにとって騒音なんだろうか?」ホームズは気遣わしげに訊いた。 「弾く人によります。上手な人の演奏なら至福の調べでしょうが、下手な人だと……」 「ああ、それなら心配ないですね」ホームズは快活に笑った。「これで話は決ま…
人生を変えた漫画がある。 大学受験を前に進路を決めかねていた私に、漫画好きの従兄叔父がそっと貸してくれた黄色いコミックス――それが『BANANA FISH』だった。すでに「古典」だったが、読みはじめると一気に惹きこまれ、読了後に2日ほど学校を休んだ。登校…
カルチャーマガジン『Febri』(一迅社)でのコミック・リコメンド。 「アニメファンにも読んでほしいマンガ」をテーマに、ジャンルを問わず注目の作品をご紹介しています。 第6回は、ホームズの宿敵の語られざる物語『憂国のモリアーティ』。いま最も気にな…
カルチャーマガジン『Febri』(一迅社)でのコミック・リコメンド。 「アニメファンにも読んでほしいマンガ」をテーマに、ジャンルを問わず注目の作品をご紹介しています。 第5回は、わが最愛のハードボイルド・ロマン『BANANA FISH』。7月からスタートする…
カルチャーマガジン『Febri』(一迅社)でのコミック・リコメンド。 「アニメファンにも読んでほしいマンガ」をテーマに、ジャンルを問わず注目の作品をご紹介しています。 第3回は『ゴールデンカムイ』。4月からのアニメ化も期待の、近年まれにみる骨太な「…
カルチャーマガジン『Febri』(一迅社)でのコミック・リコメンド。 「アニメファンにも読んでほしいマンガ」をテーマに、ジャンルを問わず注目の作品をご紹介しています。 第2回は『薔薇王の葬列』。大好きな英国史を舞台に、シャエイクスピアを原案に描か…
10月よりスタートした、カルチャーマガジン『Febri』(一迅社)でのコミック・リコメンド。 「アニメファンにも読んでほしいマンガ」をテーマに、ジャンルを問わず注目の作品をご紹介しています。 第2回は『不滅のあなたへ』。週刊少年マガジンで連載中の話…
10月より、カルチャーマガジン『Febri』(一迅社)のリコメンドページにて、「アニメファンに読んでほしいマンガ」をご紹介することになりました。 記念すべき第1回に選んだのは、『マロニエ王国の七人の騎士』。 昨年、「少女マンガにおけるファンタジーの…
もしあなたが秋に来るのなら わたしは夏を払いのける 半分微笑んで、半分そっけなく ――エミリ・ディキンスン 今年も夏の終わりがやってきた。 どんなに暑くても、もはや夏ではない。なにかが終わってはじまるような、ト短調の、永遠に愛すべき季節。 すばら…
7月、東京・吉祥寺の霧とリボンにて、コナン・ドイル「シャーロック・ホームズ」の展覧会を共催いたします。 霧とリボン 【TOP】高野麻衣 × 霧とリボン ホームズ・オマージュ共同企画展 《The Mauve-Headed League~菫色連盟》 初登場から130年、映画やドラ…
卑しいわが手がもしもこの 聖なる御堂を汚すなら どうかやさしいお咎めを ――シェイクスピア『ロメオとジュリエット』 以前、「シェイクスピアの幕間」というコンサートを開催したとき、この文豪の戯曲を題材にした音楽について調べたことがある。「音楽が恋…
午後、録画していた『ヨーロッパ王室御用達「フランス 王と妃が愛した逸品」』(NHK-BSプレミアム)を視聴。 ブルボン王朝の末裔タニア・ド・ブルボン・パルムが愛用するバカラのクリスタルグラスは、かつての王室御用達。ルイ18世が保護し、当時の先端技術…
五月は好い月、花の月、 芽の月、香の月、色の月、ポプラ、マロニエ、プラタアヌ、つつじ、芍薬、藤、蘇枋、リラ、チユウリツプ、罌粟の月、 女の服のかろがろと薄くなる月、恋の月、 ――与謝野晶子「五月礼讃」より 美しい5月の午後、吉祥寺の住宅街にひっそ…
あっというまに小正月。 年頭に綴った2017年のテーマを胸に、晴天の日々を過ごしております。 「ディテールが勝敗を分ける。そのディテールを日々、突き詰めているかどうか。きょうだけディテールを突き詰めてもダメなわけで、大事なのは日常なんです」 毎日…
今宵は十二夜(Twelfth night)。 十二夜とは、クリスマスから12日目(1月6日)に東方の博士がベツレヘムの幼子イエスを訪ねた故事から、それを祝う顕現日のこと。エリザベス朝では、前夜からはなやかな行事がおこなわれ、人びとはお祭り気分に酔った。 この…
去る12日、「マリー・アントワネットのお茶会」が閉会。 熱いリクエストをいただいた続編も含めて、来年に向けて続々とマリー企画がつづきます。 マリー企画の詳細はあらためますが、王妃はもはや「親友」のような存在。「闘うプリンセス」の真実が、たくさ…
夏の終わりの英国気分、最高潮である。 恒例のHIT LISTでは、『ゲーム・オブ・スローンズ』に端を発した2016年上半期の英国熱を綴った。 「ドラマもオペラもオリンピックも、歴史ロマンに満ちている」と、わたしは本気で思っている。現実の世界には信じられ…
残暑お見舞い申し上げます。 休暇から帰京し、先日は“わが聖域” 三菱一号館美術館へ。 大雨のなか、誰もいない一号館広場の静寂に浸り、晴れ間には、いつも美しいコンドルの薔薇たちに挨拶も。さまざまな表情を見かけるたびに、愛が深まります。 2016年上半…
この4月 、オープン1周年を迎えた「霧とリボン」直営SHOP“Private Cabinet”(東京・吉祥寺)。 「物語をテーマにしたハンドメイド・アクセサリー、紙製品、オーガニック紅茶など、愛書家の日々を美しく彩る小間物類」があふれる菫色の小部屋では、デザイナー…
ソニー・ミュージックエンターテインメント運営の情報サイト「エンタメステーション 」にて、「シャーロック・ホームズの「音」世界」の特集を企画、構成、執筆しました。 「この春話題作がつづいたホームズもの、シャーロッキアン的に音楽や声もこだわりぬ…
早いもので、「Salonette」をリニューアルしてから1年が経とうとしている。 ロゴをデザインしてくださった「霧とリボン」の直営SHOP “Private Cabinet”(東京・吉祥寺)も、まもなく1周年。 「物語をテーマにしたハンドメイド・アクセサリー、紙製品、オー…
10/28発売の25ans 12月号「『お嬢さん』の時代」特集にて、お嬢さんの登場する少女小説クラシックスとマンガ『坂道のアポロン』を紹介させていただきました。 35年前からお嬢さんたちに注目し続けてきた25ansが今、改めて理想とする女性像は、進化した”NEWお…
今月のOTTAVA Domenica Specialでは、ワンテーマで綴る2時間の音楽プログラムを、毎週2本ずつお送りしています。 第3週のテーマは「伝説」そして「愛と死」。中世からつづく音楽の物語、とりわけロマン派の根幹をなすパシオンの世界です。 ヒルデガルト・…
9月になりました。 今月のOTTAVA Domenica Specialでは、ワンテーマで綴る2時間の音楽プログラムを、毎週2本ずつお送りします。 第1週のテーマは「自然」と「ノクターン」。作曲家たちを惹きつけてやまない風や森や海、そして夜という時間について思いを…
©Kouichi Miura 今週のテーマは「エターナルサマー」。晩夏の気配とともに、あざやかな夏の思い出をたっぷりお届します。 アンダーソン: 夏の名残りのばら シューマン: ロマンスとバラ―ド 第4集 op.146~夏の歌 アイアランド: 夏の夕べ ピアソラ: ブエノス…
今週のOTTAVA Domenicaのテーマは「星、月夜、宇宙」。 天体観測やプラネタリウムでみた夏の夜空を思い浮かべながら、信仰やあこがれを秘めた音楽の数々をご紹介します。 ブクステフーデ:暁の星のいと美しきかな シューベルト:夕べの星 D.806 カベソン:賛…
今週のOTTAVA Domenicaのテーマは「旅」。 波の音が聞こえるOTTAVA特設ビーチスタジオ(?)より出発し、アラビア海から地中海、太平洋にを渡ってアフリカ、オーストラリアやアメリカ大陸まで、異国情緒たっぷりの航海の旅に出発しましょう! モンセラート修…
6月最後のOTTAVA Domenicaは、2か月ぶりの芸劇ウインド・コーナーから。フルートの杉山翼さん&窪田恵美さんをゲストに迎えます。 フルート奏者の秘密や楽器の魅力はもちろん、恒例の林田さん体験コーナーも。 強力な新キャラ(天然王子&ツッコミ系女子)…
本日のテーマは「田園」。ベートヴェンの弟子リースくんの田園風コンチェルトにはじまり、モーツァルトやリヒャルト・シュトラウスなど、ウィーンの雰囲気多めでお届けしました。 写真は「旬の話題」でお話した、野田秀樹演出版『フィガロの結婚』記者会見の…
先週(4/19日放送分)お休みをいただき、半蔵門スタジオから初の放送です! 本日は芸劇ウインド・オーケストラの若い音楽家とともにさわやかにスタート。まもなく開催されるラ・フォル・ジュルネの話題もたっぷりでお届けしました。 3月初旬からおよそ2ヶ…