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【Life】新シーズン開幕! METから歌舞伎座まで「劇場」を楽しむ秋

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10月も半ばを過ぎ、芸術の秋を満喫している人も多いはず。展覧会に読書に映画……なかでも観劇は、デートやパーティーと並んでおしゃれのしがいがあるシチュエーションだ。

25ans「エレ女の美容道」特集でも表明したとおり、「正装は人ありき」。劇場の人々に敬意を払い、周囲に喜びを与えるために装うのが観客の務めなら、その様子を発信し、まだ見ぬ観客に「そこには美しく、夢のような世界がある」と知らせるのが劇場の役割だと私は信じている。

これを実践している筆頭が、ニューヨークのメトロポリタンオペラ(MET)。先月23日、アントネンコ主演の『オテロ』で幕開けしたシーズン初日(Opening Night)のイベントの模様は、特設サイトや動画でも盛大に配信された。

 

レッドカーペットさながらの華やかな顔ぶれ。美しいドレス。エスコートする紳士たち――トップスターたちの真似はできなくても、観客席に集うソーシャライツたちのように軽やかに、もう少しだけ日本の劇場が華やかになるように、「ライフスタイルとしての劇場」に目を向けてみてもいいのでは?

ということで、最近気になった「劇場を楽しむ」トピックをいくつか、ご紹介します!

 

●FASHION●

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MET Opening Nightでひときわ注目を浴びていた女優ジェシカ・チャステイン赤毛とグラデーションを描くような華トップスに、あえてのパンツスタイルが凛々しい。イブニングドレスでなくてもドレスアップはできる!という好例。

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11月公開の主演作『黄金のアデーレ 名画の帰還』での来日も待ち遠しい女優ヘレン・ミレン様。カラフルなドレスに白いハイヒールでめずらしく可愛らしい雰囲気。バックを黒にしたことで、パートナのスーツとリンクしているのものさすが。

 

ちなみにMETには、こうした有名ゲストだけでなく、通常公演の客席で見つけたファッショニスタをスナップするアカウントもある。日本で10周年のMETライブビューイングでは幕間の舞台裏映像やインタビューも人気だが、そんなライブビューイングの観客席シーンでも、すてきなファッショニスタを映しているので目が離せないのだ。

まもなくはじまる HD新シーズンは、10月31日(金)のヴェルディイル・トロヴァトーレ』から。開演前や休憩時間にも注目してみて!

www.shochiku.co.jp

www.salonette.net

 

●MAKE UP●

とはいえ正装はやっぱり大変(日本は開演時間が早いので、仕事から駆けつける方も多数!)という女性におすすめしたいのが「お化粧直し」。とくにチークだ。

3日に開催された美容イベントで、元宝塚男役のCHIHARU先生が教えてくれたのが「スパイラル・プリンセス上昇メイク」。コーラルオレンジの練りチークを仕込んだ頬に、コーラルピンクのパウダーチークをふわりと纏わせる。このとき、頬の一番高いところに「くるくるくる、スッ」と上昇するようにブラシを滑らせるのがポイント。

また、艶めくようなベースやパウダーを、顔の高い部分にひと振りするのもよい。人は光るものに目がいくし、とくにソワレの劇場の照明にはそれくらいが映える。キラキラしたアクセサリーを追加するのもよし、とにかく「おめかしして観劇する!」という心構えこそが、大切なのである。

 

●OTHER STAGES●

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写真は新橋演舞場の「夢のあと」。『スーパー歌舞伎 ワンピース』の総稽古後に、紙吹雪舞い散る観客席を撮影したものだ。

和の劇場もまたおしゃれ心が刺激される。着物の心得があったら、やっぱり和装で向かいたい。舞台上の衣装も(少年ジャンプのマンガが原作であっても)豪華絢爛だ。マリンフォード頂上戦争編を舞台化した『ワンピース』は、歌舞伎ならではの演出をつめこんだ一大スペクタクル。宙乗りに本水での立ち回り、紙吹雪。大興奮ののち、号泣してしまうことうけあいだ。

 

一方、わがあこがれの国・英国からやってきたミュージカル『TOP HAT』は現在、東京公演を終え大阪で上演中。

1930年代、ハリウッド黄金期のミュージカル映画を舞台化したすれ違いロマンス。ニューヨーク、ロンドン、ヴェネツィアの劇場やホテル。上品なゴールドとピンクベージュを基調にした美しい舞台と、美しい男女。燕尾服に、くるくる変わるドレス。執事とシャンパンと月明かり。そして音楽――もはやいとおしいものしかなくて、ため息の連続だった。

かつてジンジャー・ロジャースが演じた美しきデイルが、勝気なお嬢さんなのもよかったです。なにより、「頬よせて」に象徴されるアーヴィング・バーリンの音楽。漂う気品―― 古きよき、と言ってしまうのは簡単だけれど、現代のテンポ感にしっかり合った演出や色彩感、SNSに対応したカーテンコールもさすが! 

www.umegei.com

 

 11月1日(日)は、東京芸術劇場 開館25周年を記念したガラ・コンサート「ジョワ・ド・ヴィーヴル――生きる喜び」がいよいよ開催。

個人的には、尊敬する同世代の芸術家・鈴木優人さんの総合プロデュースと、ラジオ「OTTTVA Domenica」へ続々ゲスト出演してはエネルギー(まさに、生きる喜び!)を与えてくれた「芸劇ウインド・オーケストラ」の晴れ舞台がとても楽しみ。また、イリ・キリアン率いるネザーランド・ダンス・シアターを経てソロとして活躍するダンサー、小尻健太の登場にも興味津々だ。

「コンサート」と考えたら、バッハとモーツァルトストラヴィンスキー以外はちょっぴり見慣れない名前に足がすくんでしまうかもしれない。でも、700年の音楽パノラマを見渡せる「アトラクション」と考えたら?――人の声、3種類のオルガン、ダンスに吹奏楽。初体験がいっぱいのカラフルな「劇場の誕生会」を思い切り楽しみたい!

mikiki.tokyo.jp

 

●NEXT ISSUE(TIFF2015)●

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10月22日(木)からは、恒例の東京国際映画祭TIFF)取材がはじまる。先日、女優・村上真希さん(左)やブロガー・時岡碧さん(右)らとともに、リポーターチームを結成。座談会を収録した。

音楽祭、映画祭といった「フェス」こそ、「劇場」と仲良しになるなによりの仕掛けかもしれない。今年はより「楽しさ」が伝えられるよう、レッドカーペットや歌舞伎座からレポートをお届けしていきます。お楽しみに!

2015.tiff-jp.net