オペラ
『ばらの騎士』—―これまで、新国立劇場やMETライブビューイング(上写真)などでかかるたびに取り上げ、いずれも人気記事となっている乙女オペラの筆頭ですが、今回は特別企画を。 現在、新国立劇場にて再演中のこのオペラに、東京フィルの一員として参加し…
私はオペラを愛する――それは人生と劇場の枠内に位置しているからだ。私はオペラへの愛好を『夏の嵐』の最初のシーンで表そうとした。劇場とバロックの世界――これが私をオペラに結びつける動機である。 ――ルキノ・ヴィスコンティ 映画監督によるオペラ演出。…
薔薇の季節でもある6月。 今週末10日(土)から16日(金)まで、いよいよMETライブビューイング2016-17の目玉にしてフィナーレ、R. シュトラウスのオペラ『ばらの騎士』が“上演”される。 ハプスブルク王朝下のウィーン。元帥夫人マリー・テレーズは、年下の青年…
30年近くもモーツァルトに恋していると、もはや彼の音楽は母の鼓動のようなもので、問答無用に懐かしい。 実際、今回のオペラ『イドメネオ』を劇場で観るのははじめてだったのだが、次々に襲いくる美旋律と懐かしさの嵐に、涙が止まらなくなってしまった(5/…
夜の劇場、それはナイトスポットの中でも、特に憧れる場所のひとつ。 というわけで、「夜のときめき」を特集した紙版『花園magazine』Vol.9 2016 秋冬号に、コラム「LAST NIGHT AT A THEATRE -昨夜、とある劇場で-」を寄稿させていただいた。 【お知らせ】紙…
アドベント(待降節)も第三主日も過ぎ、まもなくクリスマス。 教会では、聖アンデレの日に一番近い日曜日(今年は11/27)から、一週間に一本ずつ、蝋燭に火をともします。 一週目はやさしい心を持つことができるように。二週目は強い心を持つことができるよ…
『ロベルト・デヴェリュー』(2016) ©Ken Howard, Metropolitan Opera ――英国熱がおさまらない、 ということでスタートした連載「エンタメでわかる英国史」。手はじめにこの夏、METライブビューイングのアンコール上映で見た「チューダー朝女王3部作」より、…
『マリア・ストゥアルダ』(2013) ©Ken Howard, Metropolitan Opera ――英国熱がおさまらない、 ということでスタートした連載「エンタメでわかる英国史」。前回は、METライブビューイングのアンコール上映で見た「チューダー朝女王3部作」より、第1作の『ア…
『アンナ・ボレーナ』(2011) ©Ken Howard, Metropolitan Opera ――英国熱がおさまらない。 先日は、METライブビューイングのアンコール上映で、二度目の『ロベルト・デヴェリュー』を鑑賞した。 『ロベルト・デヴェリュー』は、『アンナ・ボレーナ』『マリア…
Photo: Nirai Tasato 続々、更新です! ソニー・ミュージックエンターテインメント運営の情報サイト「エンタメステーション 」にて、「METライブビューイング」ファン代表女優・小橋めぐみインタビュー「映画館で、オペラに溺れて、恋をして」を企画、構成、…
去る11月、二期会がヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ『ウィーン気質』を上演した(11/21-25 日生劇場)。 二期会のスター歌手たちが揃うのはもちろん、元・宝塚歌劇団の荻田浩一(愛称オギー)氏が演出を務めるということで、周囲の宝塚ファンからもな…
10月も半ばを過ぎ、芸術の秋を満喫している人も多いはず。展覧会に読書に映画……なかでも観劇は、デートやパーティーと並んでおしゃれのしがいがあるシチュエーションだ。 25ans「エレ女の美容道」特集でも表明したとおり、「正装は人ありき」。劇場の人々に…
©Kitamikado, Macias 二期会のオペラ『魔笛』初日へ(7/16 東京文化会館)。 演出家・宮本亜門のヨーロッパでのオペラ演出デビューということで話題になった、リンツ州立劇場との共同制作公演。テーマは“家族愛”ということで、舞台はおとぎ話のエジプトから…
©ROF, 2013 ランス、という地名で思い出すのは「式はランスの教会だ」である。 その昔、大好きなシャルル・ドゥ・アルディがプロポーズのことばとして囁いていた(藤本ひとみ『愛は甘美なパラドクス』)。彼はフランス王家に連なる貴族の末裔。おそらくアル…
そのオペラの名は『ばらの騎士』という。 照明が落ちた劇場に最初に鳴り響くのは、4本のホルンの雄叫び。寄りそうようにまとわりつくストリングス。そしてまたホルンがいななく。いななきはストリングスとともに次第に切羽詰ったように上昇し、頂点に達した…
6月である。 春からすこしずつラジオ学習しているフランス語のテキストがバラの花。それだけで幸福なくらい、私はこの花がすきだ。 バラは6月の誕生花。季語も夏。でも、6月ときいて梅雨よりバラを連想するようになったのは、10代のころに出会ったロバー…
いよいよ今週末より、東京フィルハーモニー交響楽団5月の定期演奏会がスタート。 17日(日)にBunkamuraオーチャードホールで幕を開けるオペラ『トゥーランドット』(演奏会形式)を指揮するのは、この春、首席客演指揮者に就任したアンドレア・バッティス…
] 新国立劇場『運命の力』初日を鑑賞(4/2)。 チケットぴあとYahoo!ニュースにて、公演評を掲載していただいた。 <a href="http://ticket-news.pia.jp/pia/news.do?newsCd=201504030006&afid=700&a…
9日、新国立劇場『マノン・レスコー』が初日を迎えた。 2011年3月、新演出の初日を間近に控えドレス・リハーサルまで行われていたプロダクションは、震災のため急遽公演中止に。幻の公演になるはずだった。 しかし、あれから4年、演出家ジルベール・デフロを…
陶酔とはこのことだ。 METライブビューイング『ホフマン物語』(3/10)。バートレット・シャー演出によるこの舞台を観るまで、わたしはオッフェンバックのこのオペラがこんなにも甘やかで、芳醇で、洗練されたスペクタクルだとは知らなかった。 オランピアの…
まもなく初日を迎える新国立劇場『マノン・レスコー』講座でスタートした本日の#OTTAVA Domenica、楽しんでいただけましたか? 写真は林田さんとともに、許可を得てステージの上で撮影していただいたもの。客席でみるよりはるかに広大な空間に、あらためて歌…
「オペラの登場人物のなかで恋人にするならだれ?」 女友だちとそんな話をしたときいつも票が集まるキャラクター、それがフィガロ(写真右、クリストファー・モルトマン)だ。 私が大好きなモーツァルトの『フィガロの結婚』は、モテ男の彼がついに年貢をお…
本日の OTTAVA Domenicは、ワーグナー「さまよえるオランダ人」大特集! 新国立劇場でのロングインタビューから、林田さん&高野の“初心にかえる”本や紅茶のセレクトまで、盛りだくさんでお届けしました。 ◆新国立劇場オペラ『さまよえるオランダ人』(ゲス…
Toreador, en garde! Toreador, Toreador! METライブビューイング『カルメン』を観てからずっと、「闘牛士の歌」ばかり口ずさんでしまう。ヒット曲ってすごい。 そして今回もまた、「どう考えたって闘牛士エスカミーリョが好き」といういつもの結論に落ち着…
今週のOTTAVA Domenicaは、新国立劇場オペラ講座第2弾! 音楽ヘッドコーチ・指揮者の石坂宏さんによるピアノ演奏付き『ドン・カルロ』大解剖……ということでテーマは「スペイン」。 満を持して、青池保子の名作『エル・アルコンー鷹ー』も登場します。 (オ…
念願の“(おもに)男性向け媒体”での新連載がスタートしました。 『BeQuietTV』の読者は20代後半から40代までの文化系ということで、「実際にあったオペラやコンサート、映画などの話題からカルチャーシーンを掘り下げる」ようなものにしていければとはりき…
火曜日は、わが同志・小橋めぐみさんと銀座デート。 教文館のハウス・オブ・クリスマスを覗いた後は、東劇でMETライブビューイング『フィガロの結婚』。 これが最高の一日にふさわしい、最高の締めくくりとなった。 映画監督としても著名なリチャード・エア…
金曜の夜は、OTTAVA「第2の開局」ガラ・コンサートでした。 写真はTEAMオペラでの記念撮影。 ソプラノの鷲尾麻衣さん、テノールの与儀巧さん、そしてピアノ&MCで大活躍だった本田聖嗣さんとともに、19世紀のパリ社交界へお客さまを誘う任務(斎藤GMによる…
今週のOTTAVA Domenicaは新国立劇場オペラ講座第1弾! 16日にプルミエを迎えたモーツァルトの歌劇『ドン・ジョヴァンニ』について、音楽ヘッドコーチ石坂先生のピアノ付解説あり、ツェルリーナ&マゼットのカップルを演じる鷲尾さん、町さんの本音トークあり…
新国立劇場オペラ、新シーズン初日。 おめでとうの挨拶に華やぎ、新芸術監督みずからの指揮によるワーグナー『パルジファル』に陶酔した。 なにより美しかったのが舞台に出現する「光の道」。 そして、飯守先生ならではのやさしく、赦しに満ちた聖金曜日の音…