BOOK
すっかり春である。 ちょうど一週間前にピンク色でいっぱいのパーティーへ出席して以来、ピンクへの愛が止まらない。一年中大好きな色だけれど、この時期はとりわけ目立つし、心が浮き立つ。おとといは目白の椿山荘で、きょうは前田侯爵邸の庭でお花見を。上…
本日のOTTAVA Domenicaは、女優・小橋めぐみさんをお迎えしての「物語と音楽」大特集! 小橋めぐみさんは、映画やドラマや舞台で活躍するほか、「本好き女優」として知られ長く書評連載もつづけている文化系女優。14歳までバレリーナを目指していたこともあ…
春うららかな午後に……好評のゴシック特集第2弾! ということで、本日のOTTAVA Domenicaは「妖精と悪魔」がテーマ。「妖精」「悪魔」と検索をかけるだけで登場する膨大な音楽の数々に驚きました。どうして人は、こんなにも暗闇の幻想(ダーク・ファンタジー…
春3月。ラ・フォル・ジュルネや新連載の準備をしつつ、日に日にうららかになっていく陽気や木々の花に、ときめきがとまらない季節です。あたためている話題がたくさんありすぎて、もどかしいほど! レビュー記事ではご紹介しきれない春のおきにいりを、リス…
Photo: チバヒデトシ 本日のOTTAVA Domenica、テーマは「1930年代へようこそ」。 写真は1933年の白金に建てられた朝香宮邸、現在の東京都庭園美術館です。 きっかけは、林田さんが訪れドビュッシーの音楽を夢想したというこの美術館での展覧会「幻想絶佳:ア…
本日のOTTAVA Domenicのテーマは「イタリア!」。「イタリアン・バロック・ソングス」を歌うメゾソプラノ歌手、波多野睦美さんの登場で、寒い冬の午後をあたためちゃいます。 年明けからずっとイタリア気分な私。まずは2015年最初のコンサートをご紹介しなが…
小橋めぐみさんとの新年会として、旧前田侯爵邸を訪れた。 この洋館は、加賀前田家16代当主であり侯爵だった前田利為の邸宅として、1929年に建てられた。駒場の野趣にあわせた英国チューダー様式。長く英国で暮らした利為の生活が、いまもつづいているような…
ついに「美人百花」デビュー! 創刊から読んできた大好きな雑誌で、初の選書をさせていただきました。テーマは「自分を高める本」。歴史、ビジネス、そして少女マンガから1冊ずつ、勇気をチャージするための3冊をご紹介しました。 侯爵夫人ポンパドゥール―…
今年はじめての日比谷、丸の内へ。 午後の日差しと薔薇が楽しめる三菱一号館横のカフェにて、共演の山田俊幸先生、文京ふるさと歴史館館長・川口さんと歴史講座の打ち合わせをした。 <a href="http://otome-classic.hatenablog.com/entry/2015/01…
2014年は、さまざまなスタートの年でした。 このSalonetteのリニューアルもそのひとつ。1年の終わり、アルバムの写真を整理するように、ゆったりとすてきな思い出を振り返りました。 感謝をこめて、恒例のHIT LISTをご紹介します。 ART Teaser of "Rei…
本日のOTTAVA Domenicaは、ヨハン・シュトラウス2世のワルツ「投票」からスタートしました。1861年、ついに選挙権を獲得したウィーンの人びとの喜びのファンファーレに、投票所への足取りも軽くなりそうなワルツです。クリスマス特集第3弾のゲストは鍵盤奏…
8月のおわりに、あいかわらず夏休み感覚のまとめ日記を。 ●PRINCESS● この夏いちばん印象に残った出会いは、安倍なつみさん。トップアイドルから10年、ソロとしてもがきながらも歩みつづけてきた彼女の、集大成ともいえるアルバム『光へ -Classical & Cross…
本日落手。そして一気読み。ものを書く「女子」の大先輩・米澤泉さんからの、心強いエール! 「女子をこじらせないと研究者にはなれないのだろうか」いいえ、そうではない――序章から、肯定された喜びで涙があふれた。 『「女子」の誕生』は、サイレント・マ…
「美しく生きる」という事位 貴い芸術は 外にないと思いますの。――村岡花子「爐邉」 銀座での一日。KAJIMOTOへ伺い鳩居堂で草々箋など贖った後、せっかくなので、教文館の村岡花子展を覗いた。蓮さまになりきりたくて歌集を購入。「白蓮は藤原の女なり。」で…
美しい初夏の午後、吉祥寺の閑かな住宅街に佇むサロンで「ちひさな文藝キャバレー《霧とリボン》Vol.3~バルテュスの少女たち、音楽の少女~」を開催した。 「文藝キャバレー」は、サロンの創造主であり完璧な美の守護神たるデザイナー、ミストレス・ノール…
☆満席になりました。ありがとうございます☆ 「愛書家のための小間物ブランド《霧とリボン》」のサロンで、女主人として女性限定のお茶会を開催させていただきます。バルテュスの絵画から連想する音楽を蓄音機にて鑑賞するほか、仏蘭西歌曲の訳詩の朗読や音楽…
土曜の真夜中、敬愛する編集U氏と萩尾望都について語った。 仕事のためにまじめに語っていたのに、いつしか話題は、 「わたしたちはどんなにオスカー・ライザーを愛しているか」 に終始していた。 いつものことである。聴覚派で情動型のわたしと視覚派で思考…
【Books】萌え男子がたり | 『トーマの心臓』『銀魂』他 - Salonettewww.salonette.netとはいうものの、やはり「ルーツはオスカー」、ということを書いたのが以下の記事である。 ちなみに、わたしが大河ドラマについて「西行、西行」とうるさいのも、おそら…
そうだ 京都、いこう。 と思い立ってからこの方、生活に本来あるべき張りが出てきたのである。 なぜ京都なのかといえば、お察しのとおり祇園祭(=池田屋)ではあるのだが、そこに輪をかけてわたしをかの地へと向かわせるのが折からの四畳半主義者たちである…
司馬遼太郎、中原淳一あるいは四畳半の影響もあってか、最近はどうにも和に惹かれてしまう。 いっそうすものの着物を涼やかに着こなし日傘をさして歩きたいとすらおもうが、着付けができないので早々にあきらめ、簾をたらし風鈴を鳴らし冷たい緑茶をいれた部…
荷宮和子『宝塚バカ一代』(青弓社)を再読。 タイトルに大きく「宝塚」とあるが、この本はよくある「わたしの半生と宝塚」でも、もちろん「宝塚入門」でもなく、「女おたくとは」というテーマのエッセイ集である。 ひいては「男という生き物が、どれほど迷…
2009年のベストセラーのひとつ『乙女の日本史』(堀江宏樹/滝乃みわこ、東京書籍)を読了。 くそう、おもしろいじゃねーか!というのが率直な読後感。 やられた、また出し抜かれたのだ、堀江組に。* 夏に書店ではじめて見たときは、また堀江ネエさんが「女…
熱が下がらず3日ほど寝込んだが、頭痛がそこまでひどくなかったので、貪欲にインプット作業を続けた。 新書2冊、マンガ6冊、映画1本。* すべてが渾然一体になって、このフレーズが浮かんだ。 わたしはたぶん、世間一般が言うところの腐女子である。 しか…
そういえば昨夜のワークショップの記事、iioさんがぶらあぼに書かれたそうだったので、確認のためバックナンバーを探す。 これこれ、紘子が表紙のやつだ。 手にとると、表4まで紘子。 女性誌でよくある化粧品タイアップ表紙みたい。 でもいい。紘子ならいい…
カズオ・イシグロ『夜想曲集~音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』(早川書房)を読了。 遅くなった。 もちろん新刊のときに買ったのだけれど積んであって、というのも、最初の一遍を読んだだけでぐずぐず泣けてしまって、とてもじゃないが電車のなかで読めな…
「主よ、どこに行かれるのですか (Quo vadis, Domine?)」 「私が今からいくところに、あなたは今いくことはできない。しかし、後からいくことになる。」 ――ヨハネによる福音書 妹が買ったばかりの美しいペールブルーの手帳の写真を送ってきたので、わたしも…
もう一度髪を切り、黒に戻した。 髪は一度切ると、どんどん短くしたくなる。 不精ではなく、実は長いほうがいろいろごまかしがきくのでそれをよしとしない、とか、顔を隠したくない、とか、そういう精神的なものの影響が大きい。 なにより清々とする。 すべ…
小野不由美「十二国記」の新作を読む。圧巻。 万民の前に君臨する王や麒麟というモチーフ、息を呑むようなアクションやカタルシスもないままに、どうしてこんなにも深く、感情を揺さぶる一編が書けるのだろう。 どうしてこんなにも「十二国記」でありつづけ…
雲が重苦しく空に低くかかった、もの憂い、暗い、寂寞とした秋の日を一日じゅう、私はただ一人馬にまたがって、妙にもの淋しい地方を通りすぎて行った。そして黄昏の影があたりに迫ってくるころ、ようやく憂鬱なアッシャー家の見えるところへまで来たのであ…
起き上がれないが、眠れるわけでもない。 時間が惜しいので『モダンガール論』を読み進める。 夕方、読了。 頭痛も終息。 斎藤美奈子はわたしにとって、文章をまねたいと思わせるタイプの先達ではないが、構成の巧さとそこで展開する論理の破綻のなさにいつ…